今日は、二十四節気の「冬至」。
とうとう季節が一巡しました。
冬に入ったなぁと思う頃から、空に昇る太陽もずいぶん低いところを移動するようになりました。
晴天の日の冬の陽射しは夏などよりも眩しいくらいに思えるものの、油断すると、あっという間に夕暮れが来る。
それが、今日という日は、その太陽の移動する位置がさらにいちばん低い。
国立天文台のサイトなどで調べれば冬至の日の太陽の南中高度は東京付近で約30度あまりです。
ちなみに、南中高度は、東から昇った太陽が真南に位置したときに、地表を底辺として太陽までの角度のことをいいます。
・東京の冬至の日⇒約30度
・東京の夏至の日⇒約76度
夏至の日の昼間は、太陽のヒカリが真上から降ってくる感じですが、その半分の角度にも満たないわけです。
太陽の移動経路も日照時間も短い…短すぎて寂しい
南中高度のみならず、太陽の移動経路もかなり控えめ。
太陽は、真東からではなくて南寄りから昇る。
日没も同じく真西から南寄りに沈む。
日照時間はどうかといえば、夏至よりも4時間50分も短くて、9時間45分しかありません。
冬の太陽は、ずいぶん地平に近い低い場所を、短くちょろりと移動して、早々沈んでしまうという按配で、冬至の日は、その最たる1日と言えます。
太陽のヒカリがないって、ちょっとココロが寂しいですよね。
それでも晴れれば、必ず日の出はやってきます。
というより、この日の日の出はことのほか待ち遠しい。
個人的には、元旦の朝に匹敵するぐらいでしょうか。
暗く、寂しげに思えちゃう土地だってあります。
それは、ずっーと北の方。
北緯66.6度以北の北極圏全域のあたりの冬至の日は、一点の光も差さない「極夜」になるらしい。
といっても、極夜の時期はオーロラが最も綺麗なんだそうだけどね。
しかし、太陽の光は、生き物たちの元気の源。
と考えれば、北半球では、やっぱり、今日がその恩恵が最も少ない底の1日といえます。
いつもの『暦便覧』も一応。
やはり「日南の限りを行て、日の短きの至りなれば也」と説明しています。
太陽は、南のぎりぎりの限界を移動し、日も短い。
つまり、冬の極まった日=冬至というわけです。
しかし、ヒカリも寒さも底を打って<陰極りし後は、陽が生じて、一陽来復>。
明日からは、少しずつ陽が長くなってゆきます。
ただし、実は、寒さのほうは底をうって温かさに向かう…とはならないよう。
逆に、毎年この日を境に寒さが激しくなってゆくような気もします。
二十四節気も、このあとには「小寒」「大寒」と用意しているわけですから、それそのとおりなのかもしれませんね。
すべてのもののはじまりは、かすかで気がつき難く
底の一点=冬至を越えたぐらいで、何かががらりと変化するわけではありません。
陽が長くなるといっても、実は、日の出はまだまだ遅くなり、日の入りが牛歩で遅くなってゆくといった感じでしょうか。
それでも、底を打ったというのは喜ばしく、これから暫しは昇ってゆくのみというのが嬉しい。
このあとは昇ってゆくのみというところにホッとして、実は、私にとっては、一年中でいちばん好きな一日かもしれません。
さあ、いそいそとあずき南瓜を作って栄養を採り。
柚子湯をたててゆっくり温まる。
そうして、一年に一度の長い長い夜を慈しみ楽しみましょうか。
今日は、太陽のチカラがいちばん弱い一日が無事すぎたことをそっとお祝いしつつ、眠りにつきます。
◆今日は、2014年12月22日/旧暦11月1日/霜月丁卯の日
◆日の出 6時47分 日の入16時32分/月の出 6時28分 月の入16時57分