氏神サマへの「初詣」から始まったお正月も…。
続いて、「初閻魔」、「初観音」、「初大師」…と、正月は、初のつく特別な日が多くて、けっこうずっと忙しかった。
「昔の人は、たいへんだったねぇ。」
「いやいや、昔の方は、信心するおひと方のお参りだったんじゃあないの?」
「えっ? 節操なく忙しいのは、わたしのようなやからだけ?」
…などと無益なひとりつっこみなどをしているうちに、1月ももうあと一週間。
早いです。
実は、他の行事と重なって、ここで紹介できなかった「初」縁日も多数。
思い出すかぎりそらんじてみますか?
ええっと、まずは、干支の日に寄る縁日から。
初寅の日の「毘沙門参り」(今年は1/2)、初巳の日の「弁天詣」(同1/5)に初亥の日の「摩利支天詣」(同1/11)。
これからだと、初午の日の「お稲荷さんの初午祭」(2/11ほか)、庚申の日の「帝釈天の初庚申」(2/13)、「初甲子」の「大黒さんの初縁日」(2/17)。
ああ、「八幡様の初卯祭」(立春過ぎの卯の日2/8とか。3月の卯の日3/4とかいろいろみたい)。
そういえば、亀戸天神の御嶽神社のお祭りも「初卯祭」(1/3)だった。
日付に寄る縁日もある。
「初水天宮」(1/5 毎月5日が縁日)、「初薬師」(1/8 毎月8日と12日が縁日)、「初金比羅」(1/10 毎10日が縁日)
こちらも、これからだと、「初天神」(1/25 25日が縁日)、「初不動」(1/28 28日が縁日)。
…これで全部いえたでしょうか、ちょっと自信がありませんが、とりあえずふーって感じです。
いやいや、重要な1日が抜けてます。
実は、もうひとつ、これら多くの「初縁日」の中で、これだけは見過ごしてはならない!
と、個人的に思う、縁日があります。
それが…。
本日1月24日の、お地蔵様の初縁日です。
お地蔵さまの本名は、地蔵菩薩。
仏教界では、観音菩薩などと同じ地位にいらっしゃり、如来になることを目指して修行中のお方のひとりだとか。
しかし、他の菩薩様たちと違い、路傍や辻などに野ざらしで立っておられる方が多い、
あるいは、寺に安置されてたとしても、何故かいつも身体を張って人々のお参りを受けられる方も数多い。
たとえば、塩を盛られる塩地蔵さま。
ちなみに、このお地蔵さまに塩を盛り、治したい部分をなぜながらお参りすると治癒する…というご利益があるんだそうです。
他には、縛られたり、石で塗り固められたり。
たわしでゴシゴシこすられるなんてのは、もうスタンダードなお地蔵様のお参りスタイルですね。
こんなのどかな六地蔵さんだって…。
生きる者は、すべて6種類の世界(地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人道、天道)に生まれ変わりを繰り返すのだそうで、その六道それぞれの苦しみを、各々のお地蔵様が救ってくれるという設定のモノ。
ああ、お地蔵様って、ありがたい…というか、大変すぎます。
仏教界のストーリーでは、地蔵菩薩は、苦労が多い役回り。
そもそも、仏教の教えの中では、お地蔵様は、地獄などを廻り、罪を犯したひとの苦しみを受ける役割。
だから、この世にあっても、私達人間の身代わりになって傷をおったり、働いたり
…ってことなんでしょうか?
でしょうね。
と考えると、お地蔵様って、人間にとってはなにより身近で、とってもありがたい存在です。
ということで、今日は、ぜひともご近所のお地蔵様をお参りしたい。
東京地方で、お地蔵様といえば、巣鴨の刺抜き地蔵が有名で、初地藏の日に併せ、そういった場所にお参りというのが正統派かも。
ですが、あえて、今日は、ご近所のお地蔵様のお参りも忘れずに
…と思う。
その方こそが、日ごろ、人知れず、見守っていてくださるかもしれませんから、そのお礼です。
私は、谷中の商店街「よみせ通り」の延命地蔵にお参りへ。
本物のお地蔵様は商店街の中央に祀られ、とても大切にされています。
それが、界隈の住民の密かな矜持という感じもあって、老いも若きも、幼い子までも手を併せてお参りする様子が頻繁。
狭い地蔵堂に参るため順番待ちが出たりします(笑)。
もうこの街に住み始め10年以上になりますが、「よみせ通り」の近隣が、穏やかで住みやすい街なのはいつも変わらず。
それって、お地蔵様との良き関係性ってのもあるんじゃあないかなぁ。
この街に住んで、お地蔵様をきちんと大切にする街=過ごしやすい場所
…というのが、私の中で、街を判断する法則みたいになっています。
◆今日は、2015年1月24日/旧暦12月5日/師走庚子の日
◆日の出 6時47分 日の入17時00分/月の出 9時03分 月の入21時23分