毎年1月25日は「初天神」。天神社では「鷽替えの神事」が執り行われ、木鷽さんが授与されますよ/1/25=旧12/6・辛丑

天神サマこと菅原道真公は、
どうも25日に縁ある方だったようでして…。

誕生日が6月25日。
大宰府への左遷の命令が下されたのが1月25日。
そして、この世を去ったのは2月25日。

…ふーむ。
そうゆうことってあるんですね。

そんなこんなで、毎月25日は、道真公を天神さんとして祭る神社(天満宮とか天神社と呼ばれるところ)のご縁日とされています。

その1年の最初の日・1月25日は「初天神」

カミサマ&ホトケサマ方の、1年の最初のご縁日に「初」とつく法則(?)は、天神サマも同様。
しかし、そこで行われます行事は、他を凌駕してあまりにもカワイイ。

この日、多くの天神社では「鷽替えの神事」というものが執り行われ、そのとき授与される「木鷽」の姿カタチたるやっ!
数ある縁起物の中でも、洗練度高くデザインされたもののひとつと思います。
それがコレですっ!

木鷽さんふたつ

向かって右が湯島天神、左が上野の五條天神の「木鷽」さん。

菅原道真公が寵愛した鳥とか、カミサマになられてからの家来だとか言われる「鷽(うそ)」を象るというコトのみが共通で、あとは神社によって千差万別。

五條天神のそれは、「宮司さん自らの手による一刀彫」で、授与される数もかなり少ない。
お払いも1日数回に分けて少しずつ…といった感じ。

木鷽さん五条天神

運が良ければその様子も眺められます。
(うーん、こうして並んだ様子もカワイイなぁ)

湯島天神のほうは、大小あって(上の写真は小)、袋のデザインまでも秀逸です。

湯島天神の木鷽さんの袋

…と、だった2社でも、この違い。
全国津々浦々にある天神サマの木鷽はどおよ?
と調べてみればまあまあまあまあ♡♡って感じにたくさんありそう😊。

「鷽替えの神事」と「木鷽」のルーツを一応。

そのおおもとのルーツは、もちろん道真公の墓所に立てられた本家本元・九州大宰府天満宮にあります。

その大宰府天満宮の「鷽替えの神事」は、昔の作法が今にも伝わっている唯一の場所かも。

神事は、他を先駆けて1月7日の酉の刻・19時ごろからスタート。
注連縄で囲った斎場に集まった人々は、太鼓の音に合わせて「替えましょう 替えましょう」と言い合いながら、自分の木鷽を見知らぬどなたかへ、そして、それがまた見知らぬ方へ…「木鷽」は、互いにどんどん取り替えられてゆくというスタイル。

ころあいを見て、神職の方がストップをかける。
そのとき、神職さんの合言葉裏に書いてある「木鷽」持っている人が「純金鷽」の幸運を与えられるのだそうです。
参拝者参加型が面白く、さらに、一年間についた嘘を清算し、天神さまの「誠心」に変えていただき、幸運までもいただく
…と、さすが道真公、懐の大きなご利益です。

かつては、それぞれの天神社がこの作法を模し、少しずつ形を変えて全国へ広がっていきました。

東京都内のでこの神事が行われるのは、五条天神、亀戸天神、湯島天神の3社

特に、亀戸天神は由緒が古く、「木鷽」に添付の資料によれば、文政3年(1820年)からだそうですから、もう東京地方でも、200年近く木鷽はわれわれの嘘をマコトに変え続けているのですね。

ちなみに、亀戸天神の「木鷽」さんはこんな風です。

亀戸天神の木鷽さん

しかも、参道前のガードレールの飾りも「木鷽」デザインっ!

ガードレールの木鷽さん

大きすぎるのが難点ですが、よーく見ると目が愛くるしい。

といっても、現在の東京の「鷽替えの神事」は、三天神とも、昨年お世話になった「木鷽」を神社に納め、新しい「木鷽」を授与されるという、もっとずっとシンプルなものになりました。

さて、家におこしいただいた「木鷽」さんは、神棚や床の間、無ければ南向きの棚に祀り、これからの1年、ついてしまった嘘を誠に変えていただきます。

しかし、こんなカワイイお姿をみれば、ついつい、いろいろな「木鷽」さんののお姿も拝んでみたい。
と、ささやかですが野望も芽生える。

それで、木鷽さんバリエーションなどにまとめてみましたものの。
実は、今度はコレクションもしてみたく。

もう、罰当たりなのか、信心深いのか…。
「木鷽」さんたら、そのルックスのよさが、魔性の魅力ともなる縁起物です。
ああ。

◆今日は、2015年1月25日/旧暦12月6日/師走辛丑の日
◆日の出 6時46分 日の入17時01分/月の出 9時42分 月の入22時29分