七十二候は、桃始笑(ももはじめてさく)。東京では全然咲きませんし、切り花桃だってないけどねぇ…。/3/12=旧1/22・丁亥

七十二候は、昨日から「桃始笑」の時期に入っております(3月11日~15日)。
「ももはじめてさく」と読みますが、「笑」=咲くと持ってくるこのセンスが、好きすぎるぐらい好き。

なので、そのまま、七十二候の中でいちばん好きなコトバでもあります。

七十二候で、「花が咲く」関連の表現は、11種

なかでも、いちばん多いのは、そのまんまの「開」で読みは「…ひらく」が4種。
「櫻始開」(3/26~)「蓮始開」(7/12~)「綿柎開」(8/23~)「菊花開」(10/13~)となります。

次が、「華」の「…はなさく」で、「欸冬華」(1/20~)「牡丹華」(4/30~)「菖蒲華」(6/27~)の3種。

残りは、各1種類ずつで、「紅花栄(べにばなさかう)」(5/26~)「桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)」(7/23~)「金盞香(きんせんかさく)」(11/18~)。

…まあ、いずれも、そこそこ常識的な表現ですよね。

なのに、「桃」だけ、もう超変化球的とくべつ扱いな感じがするんですよねぇ。

しかも、この表現は日本オリジナル。
中国から渡ってきた「宣明暦」だと、「桃始華」と知って、ちょっと日本人のセンスを見直すなぁ…って感じです。

「桃始笑」に桃の花はないよぉ!

これだけ特別感ふりまいてるのに、実は、この時期、東京では桃の花は咲かないってのが、寂しいところ。
早くて3月下旬ごろからで、しかも梅や桜のように普通に生えてるものでもなくて、桃の木は、都心から離れたところへわざわざ見物に行って見るという感じ。

それなら切り花で我慢するか…と花屋に出向けば、3月3日まではやけに目立っていた桃の花はこの時期には皆無。

桃の花ったら、実は、わざわざ「桃始笑」の時期を避けてくれてる?

ってコトで、ふふふっ、今年は、あらかじめ準備しときました!

桃の節句の切り花桃は、「桃始笑」に咲きました。

購入したのは、桃の節句の時期で、しかし、3月3日には、まだこんな風。
3月3日の桃
咲きません。

そして、節句が過ぎても、もしかして造花?と思っちゃうほどに、このまま固定。

もしや、活け方間違ってる?
…と心配しつつも、水を取り換え、根元をいじるぐらいでなすすべもなく…放置。

それが、おとといあたりの朝に!

桃の花咲く

花が開いた?
…って忘れた頃にな…と思ったら、なんと七十二候の「桃始笑」に突入しておりました。

桃の花開く

ふーむ。
しかし、あんたは桃の節句用の花なんだよねぇ。

桃の花って天邪鬼なのか?

もしかして、桃が咲くのに、「笑」を持ってきたのは、花の開花に振り回されるヒトを笑うって意味じゃあないですよね?

いやいや、無事に「桃始笑」の時期に桃の開花をおがめたってことにしよう(笑)。
やや難ありですが。

付録:福島の母の家近くに、かつて、あった桃の木

福島は、桃の産地で、農業用の桃の木がそこらに普通に生えている所。

が、やっぱり、花の頃は4月中旬でして、桜と桃が同時に咲くみたい。(いつもは帰省しないのでやや曖昧情報です)

で、これは、2011年に撮った写真。
いつもは帰省しないその時期に桃の花を眺めていられたのは、東日本大震災の年、やーっと帰れたのが桃の季節だったから。

福島の桃の花

近寄れば、ああなるほど、破顔一笑のこどもの顔かも?
なんて思う。
花

それでも、そのあとやってきた後継者不足による土地放出⇒宅地造成。
この桃の畑だったところに、今は、変哲もない建売住宅が建っています。

人口が減っている土地に、新しい家っているのかなぁ…と、当事者でない気安さからちょっと思い。やっぱ、あの年初めてみた東北の桃が懐かしいので、昨年に引き続き、ココに載せようと決めた次第。

◆今日は、2015年3月12日/旧暦1月22日/睦月丁亥の日
◆日の出 5時57分 日の入17時45分/月の出23時43分 月の入 9時30分