七十二候は「牡丹華」に入りました。となれば、やはり、上野東照宮の牡丹苑だな。/4/30=旧3/12・丙子

季節の暦七十二候は、今日から「牡丹華」に入りました(4月30日~5月5日)。
読みは「ぼたんはなさく」で、「牡丹の花が咲く」ころという意味です。

しかし、「はなさく」に「咲く」あるいは「開く」とかじゃなくて「華」を当てたあたり。
やっぱり、この艶やかさがこの字を選ばせたんでしょうね。

牡丹赤

七十二候の花関連で「華」を使うのは、あとふたつ。
二十四節気「夏至」の次候 「菖蒲華(あやめはなさく)」(6月27日~7月1日)と、「大寒」の初候「欸冬華(ふきのはなさく)」(1月20日~24日)。

華やか艶やか系の花に「華」と持ってきた…という予想でしたが、「欸冬華(ふきのはなさく)」はどうだろう?
降り積もった雪を割って、出てくる若い緑色…とイメージすれば、やっぱり。

「華」は、その開花ぶりにハッとする的な意味があるんじゃあないかな?

というコトで…。

いそいそと、上野東照宮「春のぼたん祭り」に行ってみますっ!

冬牡丹の時の、霜よけの藁囲いに包まれて咲いている様子は、葉っぱが少なく。
ちょっと頼りなさげな幼子のように見えたのモノですが、初夏の牡丹は、葉っぱも花もぼってりたっぷり。

牡丹に笠

そして、唐笠をさして妖艶に佇んでいる。
牡丹と笠

いやぁ、ずいぶん美しく育ったねぇ~♪♪

つつじ、牡丹は、もう夏の花

…って、コレは江戸人たちの見立てですが。

江戸末期の考証家に斎藤月岑(げっしん)による『東都歳事記 (2)』 (東洋文庫 (177))(1838(天保9)年刊行。現在は、岩波書店から東洋文庫シリーズとして出版)

このブログを書くにあたって、参考書として世話になっているいつもの本ですが、花の見ごろを立春からカウントしている記述があって、その対象が「梅」、「桜」、「桃」。
立春から75日目ぐらいの晩春に「梨花」や「山吹」の開花を予測し、春はそこで終了。

つつじ、牡丹は、立夏を基準に花のみごろを数え…つまり、ああ、もうつつじや牡丹で祭りをしようってからには、もう夏っ!なんですねぇ。

一応、その見ごろ予想をかきだしてみましょうか。

・つつじ(躑躅霧島/つつじきりしま)⇒立夏の頃より皐月躑躅(さつきつつじ)にいたるまで、追々に咲く。
・牡丹⇒立夏より二三日め頃。紅は早く白は遅し。
・燕子花(かきつばた)⇒立夏より二三日め頃。
・藤⇒立夏より十二三日め頃。年によりて大に遅速あり。

…という感じだったみたい。

「立夏」ってのは、「牡丹華」が過ぎるとやってくる二十四節気のひとつ。
今年は、5月6日なので、江戸人的には、つつじも牡丹もまだ見ごろを迎えてないって計算ですね。

しかし、平成の世は、つつじはつい先日
牡丹もいまごろがいちばんの見ごろみたいです。

牡丹キイロ

やはり温暖化のせいなのかしら?

うーん。
でもなぁ、立春から数える桜の見ごろは、意外にばっちりあってたんですけどね。

夏が来るのが、ちょっと早くなってるってコト?
…でしょうか?

ああ、気が付けば、もう夏…なんですねぇ。(←どーも、夏という季節が苦手なモノで、春が行ってしまうのが寂しいのです。)

◆今日は、2015年4月30日/旧暦3月12日/弥生丙子の日
◆日の出 4時51分 日の入18時26分/月の出14時53分 月の入 2時37分