今日から、七十二候は「蚕起食桑」。っていっても、東京では、その名残すら見つけることはできませんが…/5/22=旧4/5・戊戌

季節の暦・七十二候は、二十四節気「小満」とともに「蚕起食桑」の時期に入りました(5月21日~25日)。
「かいこおきてくわをはむ」と読んで、「孵化した蚕(かいこ)が、桑の葉を食べる時期」という意味。

ふーむ「蚕」に「桑」かぁ…。

またも、東京にないモノですねぇ。

といっても、今回は勝手七十二候に逃げはせず。

近しい場所に、蚕の痕跡をさがしに行きますっ!

繭玉にカラフルな紐で飾りをつけて…。

繭玉

このカワイイものなぁ~んだ?

…って、神社のおみくじなんですが(笑)。

繭みくじ

七十二候「蚕起食桑」記念!
と洒落こんで、昨年同様、今年も繭のおみくじを眺めに、神社参拝することに決めました。
(ああ、ただひたすらに、こじつけですっ!)

今年は、下谷の小野照埼神社の繭みくじ

都内の神社は、繭のおみくじを引かせてくださるところは数ヶ所ですが、全国津々浦々にフィールドを広げると神社のおみくじを静かに席巻しているみたい。

ということで、普段は、勝手七十二候をでっちあげちゃうところをグッと耐え(?)
ニッポン人と蚕の切っても切れない深く長い関係に敬意を評す次第です。

ってなんで…って??

だってね。

・江戸から明治に下って、政府が目指した「富国強兵 殖産興業」を支えたのは、なんと「蚕」!
というか、蚕を育てた農家と、底から糸を紡いだ製糸工場の女工たち…というべきかな。

とにかく、超ひらたく言えば、明治政府の政策を支えたのは、その生糸を売って外貨を稼ぐというコト。
その外貨は、そのまま軍艦に化け、日本は他国に負けないチカラを持つようにもなった。

悲しい戦争の歴史というのもあるけれど、「蚕起食桑」の風景は、日本の近代化を促進したひとつのアイテムでもあったから。

そして…。

・皇室の行事「ご養蚕」はきちんと現代に継承されていることへの敬意というのもある。

ちなみに、今年も皇后さまの蚕のお世話が始まったみたいです。
→宮内庁ホームページ<ご養蚕[天蚕山つけご作業]>

これも、日本の文化に、絹が重要な位置を占めてきたあかしでもあると思う。

暦が伝えた季節の風景が、そのまま日本史を語る…みたいなコトだなぁ…なんて思うからなのであります。

ちょっと大げさ?

◆今日は、2015年5月22日/旧暦4月5日/卯月戊戌の日
◆日の出4時32分 日の入18時44分/月の出8時10分 月の入22時14分