いよいよ秋の七草の本格シーズン到来です。
といっても…。
山上憶良が
<秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば
七種の花 萩の花 尾花葛花 撫子の花 女郎花また藤袴 朝顔の花>
と詠ったうち…。
きっちり秋に咲くのは、萩(はぎ)、尾花(おばな=すすき)、葛花(くず)、女郎花(おみなえし)、藤袴(ふじばかま)の5つ。
撫子(なでしこ)は梅雨の時期に咲いて終わり。
桔梗(=朝顔とうたってますが桔梗のコトです)は、かろうじて咲き続けてますが、最盛期は撫子と同じ。
几帳面に言えば、秋の五草+夏の二草が正しい?
いや、それだと風情なさすぎだって(笑)。
ってコトで、今年も、山上憶良さんの意見に準じ、素直に秋の七草を楽しんでみる次第です。
まずは、女郎花(おみなえし)の黄色を愛でる。
この鮮やかな黄色に出会えたのは、先日「虫聴きの会」に行った向島百花園。
春の七草と違って、秋の七草のメインは「花」。
春のように同時期にまとめてとはならないで、いきなり早すぎなのや(=撫子や桔梗/朝顔)、のんびりしたのがあったりもして、まあ、順番に愛でて楽しむ感じでしょうか。
毎年、秋のトップバッターを飾るのはこの「女郎花」。
一応、桔梗は花の時期が長いので、「女郎花」が「朝顔(桔梗)」に追いついたって感じで、いい感じの色合いで並んで咲いておりました。
ちなみに、皇居東御苑の秋の七草コーナーは、「朝顔(桔梗)」は終了。
あちらは、現在見ごろなのが女郎花のみなので、この紫×黄色のコラボを見たければ向島百花園のっほうがいいかもしれない。
(ああ、でも、どうかな。もう少し時間がたっているので、桔梗…微妙かも。)
しかし、なんだって、こんな可憐な花にこの名前?
この時期、頻繁に紐解くことになる、『柳宗民の雑草ノオト』 (ちくま学芸文庫)をさっそく紐解いてみれば。
<オミナエシの語源は、「女飯(おんなめし)」>とある。
つまり、近寄ってみれば、花が米粒みたい…ってコト?
…というより、つぼみがか。
で、<小さな花を飯粒になぞらえ、美しい黄花を女子に見立ててつけられたらしい>のだとか。
ふーむ。
季節の暦は、ただいま「禾乃登(こくものすなわちみのる)」の頃。
ここにも、実りがあるってことですね。
そういや、この花を眺めていると黄色いサフランライスを食べたくなるんだよねぇ。
◆今日は、2015年9月4日/旧暦7月22日/文月癸未の日
◆日の出5時15分 日の入18時05分/月の出22時01分 月の入11時03分
↓草のことなら、いつなんどきもおススメの本。