赤いのも…。
白いのも…。
よくよくみたら、なんだかおもしろい造形の花ですね。
茎の先端に、数個の花を外向きに咲かせ、それがひと塊の花にも見える。
たとえば、花ギリギリのところから手折って、気まぐれに頭に乗せたとしたら、それって、王冠みたいなカタチじゃあないですか?
秋の長雨、台風の日々は、これが何の花だかピンと来なくて…。
知ってるようで、知らないこのつぼみ。
長靴に大きめの傘で雨降る中を歩く日々に、目の端っこに、けっこうたくさん見たように思うけど、何の花が咲くんだっけ?
と思い出せなかった。
それが、秋晴れの下で、少しずつ花開き。
ああっ、彼岸花だったかぁ!
お彼岸に咲くから彼岸花。
転じて、ヒトに、彼岸の入りを告げてくれる花ってことです。
もちろん、あの世=彼岸にいらっしゃる方々も、この花のおかげで、此岸(しがん)=俗世がはっきり見渡せるかも?
赤は、紅い炎で照らすように咲き。
白は、灯された灯りのように咲く。
彼岸花があれば、あちらの岸から俗世の良いも悪いもよりはっきりと見渡せるかもしれません。
ああ、となれば、しゃきっと背筋のひとつも伸ばし、ご先祖様にご挨拶をいたしましょう。
暑さ寒さも彼岸まで。
この花は、涼しさが適した種なのか、暑さが去りゆく彼岸の間に、どんどん勢いを増すかのように咲き誇ってゆきます。
お彼岸が明けたら、どこかの彼岸花の群生を見に行きたいと思います。
たとえば、小石川植物園のこんな彼岸花の群れ…とかね。
この群生ぶりは、けっこうすごい。
ホントに彼岸に着いた?と一瞬、怖くなるほど美しいのです。
◆今日は、2015年9月20日/旧暦8月8日/葉月己亥の日
◆日の出5時27分 日の入17時42分/月の出11時24分 月の入21時57分