冬花の面白さって造形美だと思う。
色合いや華やかさをめでるのは、とりあえず冬花の王道、山茶花や石蕗(つわぶき)があるので良しとする。
あとは、冬となったら、カタチの面白い花をきちんと探して愛でて楽しむ。
というのも、ありかと思う。
いや大ありなのである。
◆枯れた花々の偶然の造形を楽しむ
ってやりかたがひとつ(←これは、数日前にこちらのブログに書きましたので、よろしかったら、そちらを)。
◆見慣れていたのによくよく見たことがなかった花を、注意して眺める
…が、もうひとつ。
八手の花って、じっくり見たコトありますか?
八手は、年がら年中、天狗の団扇みたいな葉っぱを緑色に輝かせているもんだから、花にはちょっと気が付かない人が多いみたい。
晩秋のあたりに、樹木のてっぺんに、こんなごっついよくわからないモノが生えだして…。
あらら?
と思っていたら、つぼみだったみたい。
「ああアレね、あれって葉っぱの親戚かと思ってた!」と友人のひとり。
葉っぱの親戚って意味不明(笑)。
だけど、なんとなく気分は分かるんだよなぁ。
花って華やかに咲くって固定概念が案外強くて、一瞬、花と思いにくい…かも。
しかし、これこそが、八手の花。
フォルム楽しむ、冬花の代表選手と、勝手に思う。
八手の花は、近寄って、
微妙なカタチの変化を鑑賞して楽しむのがいい。
小さな花が円錐形に集まって白いボンボンをカタチ作る様子を仔細に眺めていると…。
同じボンボンでもいろんな種類があるのに気づきませんか?
実は、八手の花って、同じ花が「雄花」になったり「雌花」になったり、日数を隔てて不思議な変化を遂げる。
まずは、「雄花」でスタートを切り。
「雄花」が、おしべ&花びらを散らし、その後を継ぐように、今度はそこからめしべが成長。
「雌花」の期間が始まるという寸法。
手前のやや地味な感じになったのが「雌花」。
花が散ったあとってわけじゃないですよ。
ボンボンによって成長のタイミングが違うので、運が良ければ、ひとつの樹木に雄&雌の2種類の花が咲く。
なんてのも鑑賞可能なんです。
これは、近親交配を避けるための生態なんだそうですが、眺めるヒトのほうは、面白さを発見してややホクホクとする。
写真撮るにも、下から上から、いろいろ工夫したりして…。
うーむ、やっぱ、カタチの面白さで、八手の花に勝てるのはなかなかないんじゃあないかな。
付録:これも八手!
黒いじゃん??
って、これは5月に実った八手の実です。
これは、花以上にもっと見過ごされがちな気が…。
なんか黒いビーズがたくさんなってるみたいで、よく見れば美しいのですがねぇ。
◆今日は、2015年11月25日/旧暦10月14日/神無月乙巳の日
◆日の出6時26分 日の入16時30分/月の出16時14分 月の入5時07分