本名、温州みかん。ひと呼んで「冬みかん」。
七十二候「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」が過ぎると、非常に気になりだすのが、この「冬みかん」のことです。
七十二候が言っているのはあくまで、実が黄色く熟し始めたというコト。
で、食べごろだとは言ってないんですが、あれだけ目に着いちゃうと、もう胃袋の方がだまっていません。
寒さが増してくると、炬燵の登場とともにいつのまにやらダンボール箱に入って現れて…。
ひと冬、寒い廊下の隅などに置かれていたオレンジ色の美味しいやつ。
冬休みのある日、籠にみかんを盛って炬燵にあたり、読書しながらせっせせっせと食べ過ぎた。
冬中、しょっちゅう指先を黄色く染めて、本を汚すの腹をこわすのと叱られた…「冬みかん」への、慕わしさは、何故かそんな情けない記憶とともにあって、みかんを眺めてふふふと思い出し笑いまで飛び出してきます。
スーパーの棚も青果店も、目立つコーナーは、もうみかん色一色に染まってます!
冬の深まりとともに、売られる種類も増えて、値段もどんどんと安くなる。
うっ!一山200円だと!
…しかし、小粒だからあたりまえか。
冬みかんが店先を覆う度合いは、冬の深まりへのバロメーターのようですね。
柑橘系のみならず多くの果物の中で包丁いらずで食べられるのは、ほかにバナナとリンゴの丸かじりぐらい。
リンゴはちょっと手が汚れるし、バナナは、剥いた皮をその辺にほおって置くとあっという間に茶色くなってやや醜悪。
冬みかんは、食べれば甘くて瑞々しいというのに、剥いて口にする過程では、手を汚すことも無く。
あの纏わりつかない感じは、生食する物としてなかなかに優秀と思うのですがいかがでしょうか?
ああ、いっそう食べたさが増す。あの200円のを買ってくればよかったなぁ…。
がまんできず、ネット通販で買ってしまいました。
カタチ不揃いながら、ノーワックス、防腐剤未使用ってのが、けっこう普通にあるんですよね。
しかし、ネットで購入の場合、熊本産についこだわっちゃうのは、やっぱ、くまもん(笑)。
しっかり乗せられております。
大きい方は、冬みかんというより、夏みかんのようです。
いいなぁ。こうゆうの。
ノーワックス&防腐剤未使用なら、今年も陳皮を作ろう!
みかんって、剥いた皮をほおっておいても気にならず…どころか、手拭に包んでお風呂に入れて入浴剤がわり、乾燥させれば芳香剤に…と残ったものまで使って万能なんですよね。
しかも、漢方の世界では、果皮を干して「陳皮」=七味唐辛子の材料かぁ…。
ってコトで試しに干してみた。
程よく乾いたんですが、これを食用にするにはちょっと修業がたりず(っていうか使えるかどうか自信がない・苦笑)。
なので、小さく切って…。
さらしで包んでお風呂に入れる。
これがまた、いい感じのアロマで大正解なんです。
なので、今年もせっせと食べて、せっせと干してみようかと思います。
いやぁ、いろいろつかえていいなぁ…。
そういえば、冬みかんといえば、その汁であぶり出し…という遊びもあったなぁ…と、余計なことだけ思い出した。
たしか、削った割り箸をペンにみかんの汁をインクに見立て…。
いやいかん、もう冬みかんで遊ぶのはやめておこうっ!
◆今日は、2015年12月9日/旧暦10月28日/神無月己未の日
◆日の出 6時38分 日の入16時28分/月の出4時11分 月の入15時08分
↓安いのもまだあるみたいですよ。くまモンの箱で送られてくるみかん(笑)