たき火全然オッケーの田舎育ちなもんで…。
東京に住み始めてほどなく不思議に思ったのは、たき火する光景が皆無…だったコトでしょうか?
のちに、住宅密集地ゆえの悲しさで、勝手に個人宅でたき火ができないと知ってびっくり。
都会って世知辛いねぇ…などと思ったものです。
が、正月が過ぎ、途方に暮れたのは、「じゃあ、この正月飾りはどうすりゃあいいの?」ってコト。
初めてのひとり暮らしの嬉しさで、正月は帰省するというのに、小さな正月飾りを買ったんでした。
小さく安価な注連縄飾だって、歳神様の依代はごみ収集にはだせませんっ!
田舎では、松も明ければ、近所の神社で正月飾りはお焚き上げのどんと祭。
ついでに書初めも持参して、一緒に焚いていただくのが普通。
それを外してしまったのちは、縁起物のみきちんと並べて、裏庭で燃やす。
ってこともした。
ああ、せめて、どんと祭やってないかなぁ…。
と調べれば、東京にもどんと焼きの年中行事は細々と残ってたみたい。
上京したてのその昔、小さな正月飾りも近所の神社でお焚き上げしていただきホッとした思い出があります。
左義長、どんど焼き、とんど(歳徳)焼き、とうと(尊)焼きなどなど
地方によって呼び名も様々ですが、これらは、正月の松が明けた節目に行われる火祭りの行事。
正月の門松や注連飾りを焚き上げるのみならず、その依代にお迎えした歳神様を、火のチカラでもってお見送りするという意味を持ちます。
東京でいちばん有名などんと祭は、たぶん鳥越神社の「とんど祭」かなと思うのですが、こちらは昨年の記事を見ていただくとして、今年は、我がご近所諏方神社の「どんど祭」を(濁点の位置にご注目ください。鳥越神社と違いますよ)。
といっても、神事→正月飾りなどを焚く→炎で餅を焼き、食べ厄病除けにする…と、基本は同じ。
そこを抑えつつも、神社ごとのオリジナルな工夫を見つけ比べてみるのが面白いものです。
諏方神社の「どんど祭」の準備は年末から始まっています。
境内には、早々、四方竹で結界が作られており…。
どんど祭の当日は、ここに正月飾りとか旧年のお札、書初めなどが積み上げられる。
この積み上げ方が場所場所によって様々な趣向があって面白いのですが、ここは深く掘った穴に積み、一番上に松を散らすという作法のようです。
そして、その一角に祭壇が設けられ、野菜や海産物などが供えられるのですが、この様子が個人的には相当に好きです。
なもんで、神職の方がいらしてないことをいいことにかなり接近して眺めます。
神事とともに、点火!
炎が上がったら、参拝者はそれぞれに餅を焼きます。
もちろん、お餅は御振る舞いをうけ、準備された竹と針金で作った釣竿みたいなものの先につけて焼く。
こんな風です。
寒い季節なので、毎年、火祭りそのものがすごく慕わしく、立ち去りがたく…。
暖冬の今年はどうかな?
餅を焼いていると、近隣からは、注連飾りを持った人々がまだまだ続々とやってきます。
この先、何回かに分けて、お焚き上げは続くらしいけど、人々はキリがいいところで三々四五帰路につく。
で私も家路へと。
街は、注連飾り&門松が一掃されて、なんだかすっきり。
先ほどまでのハレの日の飾りが面白いぐらいに一斉になくなって、あっと言う間に日常の風景にもどっております。
「ああ、年神様も、炎とともに無事お帰りになったのだなぁ…」なんて思いつつ、私のココロも、不思議と今年やりたいことなど考えつつ。ちょっとやる気もでてくるころ。
どんど祭の副次効果ってやつでしょうか?
ちなみに…。
どんと祭のご利益まとめ。
・炎に煽られ高く舞い上がった書初めの主→習字の手が上がる。
・炎で餅を焼き食す→風邪除け厄病除けになる。
この、あたりのご利益は、どこも共通みたいです。
つまり、今年も健康で、わが身のスキルアップにつなげると解釈いたしまして候。
◆今日は、2016年1月8日/旧暦11月29日/霜月己丑の日
◆日の出6時51分 日の入16時44分/月の出4時45分 月の入15時15分