今日は、『コロボックル物語』の生みの親、佐藤さとるさんの誕生日。なのでいつものように一冊。そして…。/2/13=旧1/6・乙丑

重要なのは逝った日ではなくて、誕生日。
と言っても佐藤さとるさんは、まだ逝ってはいませんけどね。

著名な作家などの場合「◎▽忌」と逝ったを偲ぶのが普通かもしれないけれど。
私は、ココロに響く物語に出会えたのは、その作家がこの世に生まれて生きたおかげとという思いが強い。
ってコトで、誕生日がだいじ。

なので、思春期からずーっと好きな作家たちへの感謝と敬意を示すつもりで、その記念すべき誕生日には、そのヒトの作品の中から1作選んで持ち歩き、読む。

1928年生まれの佐藤さとるさんは、まだまだ元気。今日88歳。

70歳になった年に「書きたいことはすべて書いた」と引退を宣言して、読者(←私)は「ああ、もう新作はでないのかぁ」という軽い喪失感。
なので例外的に「誕生日を祝う読書」作家リストに入れてしまったのでした。

ってコトで、今年も佐藤さとるさんの『コロボックル物語』のシリーズ1『だれも知らない小さな国』を、しみじみ読みます。

だれも知らない小さな国

今年は、2010年の復刊バージョンの解説者が梨木果歩さんと知って新しくしました。
…が、もちろん古いのも捨てられずそちらは永久保存版。

今年は有村浩さんの続きのコロボックルの物語も紐解いてみる。

こちらは『だれもが知ってる小さな国』。

だれもが知ってる小さな国

佐藤さとるさんの生んだ『コロボックル物語』を、次世代の作家有村浩さんが引き継いで描いた続きの話。
佐藤さんの『だれも知らない小さな国』は、戦中戦後のお話で、その続編も、高度経済成長期の日本…で暮らすコロボックルの話。考えたら、もうずーっと、コロボックルの暮らしは語られてなかったんだなぁ。
『コロボックル物語』は、みんなに読まれ、今や『だれもが知ってる小さな国』のお話に。
ああ、そのタイトルにした気持わかりますよ有村さんっ!
そして、現代の暮らしの中にも、ちゃんとコロボックルたちは生きていて、嬉しいです。

こうして「見えないけどそこにある」世界は健在。
その世界の持つ懐の深さや奥行きみたいなものを、これからもずっと、確認しつつ読みつないでゆこうと思います。

佐藤さとるさん!
お誕生日おめでとうございます。

一度もあったことはないけれど、コロボックルを友人と思え、ずっとそうして生きられた。
加えて、子どものころからずーっと愛読書がある幸せ。

そんな風に感じられる、素晴らしい物語をありがとう。
もっとずっとお元気で長生きを。

◆今日は、2016年2月13日/旧暦1月6日/睦月乙丑の日
◆日の出6時31分 日の入17時20分/月の出9時25分 月の入22時33分

↓『だれも知らない小さな国』は単行本もまだまだ現役の本。

↓有村浩バージョンコロボックル物語