今年ももう始まってるなぁ奈良・薬師寺の「花会式」。遠く関東の街で、美しく花に囲まれた方々を思いつつ、折り紙で花作りしてみる一日/3/28=旧2/20・己酉

梅、椿、牡丹、桃、桜、山吹、藤、菊、百合、杜若。

今の時期、奈良・薬師寺の薬師如来さんは、和紙で造った美しい花々で取り囲まれ、よりいっそう幸せそうに微笑んでいるそうです。
3月25日から31日は、奈良に春を告げる薬師寺の「花会式」。

数年前に、東京博物館にいらして大人気だった日光・月光菩薩は、この薬師如来さんの脇侍で、そのあまりにも美しくありがたい姿お会いしてからこっち、三尊揃って花々に囲まれるお姿を見にうかがってみたい憧れの奈良の行事です。
しかし、お彼岸もあり4月目前のこの日々は、なかなか奈良まで足をのばせず、また今年もうかがえなかったなぁ…と。
代わりに、折り紙やら、切り紙やらで花造り。

花

不格好な花々を眺めつつ、遥々奈良を思ったりして(笑)。

薬師寺の「花会式」は、奈良の古寺各所で早春に行われる「修二会(しゅにえ)」のひとつ。

東大寺のお水取り(←これも一度は訪ねたい!)と同じく、国家の繁栄や五穀豊穣などを祈るための行事で、七日七夜、十人の練行衆と呼ばれる僧侶たちが1日6度の法要を不眠不休で執り行うのだとか。

そして結願の日には、三尊がいらっしゃる金堂の前に突如5匹の鬼が現れてたいそうな暴れっぷりを披露。
それを、薬師如来からチカラを与えられた毘沙門天が鎮めるという物語が展開するそうです。
これは、節分の日に全国津々浦々で行われる節分会に因んだ行事で、「花会式」のフィナーレ。
春を迎える行事には鬼に託して邪気を祓うという考え方は、日本の文化につきものなんですねぇ。

修二会に花々を飾るようになったのは平安時代から。

この行事自体は、奈良時代がルーツなんですが、花を飾るのはもっとあとからみたい。

時は、1107(嘉承2)年、堀河天皇は、病に倒れた皇后の病気平癒を薬師如来に祈願します。
するとほどなく病気が回復。
その返礼にと、皇后は女官に命じて10種類の造花を作らせて、薬師如来さまの御前に供えられたのが最初。
それが毎年の習慣となった

…のだそうです。

だから、薬師寺の修二会が「花会式」と呼ばれるようになったものそれ以降のことなんだって。

薬師三尊像の周囲を彩る「お花飾り」は…。

昔ながらの方法を守って、薬草などで染めた和紙を一つ一つを手作りで作る。
花々は、木の枝に取り付けられたり、わらの束に刺されたりして飾り付けられ、薬師三尊をより一掃美しく彩ります。

それにあやかる気分で、梅に…。

梅

椿に。

椿

桜に。

さくら

杜若と…。
杜若
百合。
ゆり

桃と山吹(右上に並んでます)、牡丹(左端の赤)と藤(右中央のブルー)、菊(右端下の黄色)は切り紙で!(←かなり雑なもんで、上の写真で小さくごらんください)

…ってことで花会式と同じ10種!
奈良から遠く離れた東の国にて、薬師の三尊を思って作ってみました。
これらは、雅な平安時代の主だった花ってことかな?

で、思いだしたのが、薬師寺の三尊目当てに旅した友人の話。

薬師寺にお参りすると
「薬師如来はお医者さんで、日光・月光菩薩は、看護師さんです。日光さんが日勤、月光さんが夜勤の看護師さんですね」
と、真面目な顔して薬師寺のお坊さんがお話されるんだとか。

うわーっ!ホントにそんなこと言うの?だとしたら、好きだなそうゆうの。
ますます行ってみたくなるよ、春の奈良。

◆今日は、2016年3月28日/旧暦2月20日/如月己酉の日
◆日の出5時33分 日の入17時59分/月の出22時13分 月の入8時13分