早いもので今日は「盆明け」。「送り火」たいて、線香花火も静々と燃やし、ご先祖様をお送りします。また来年、お戻りくださいっ!/8/16=旧7/14・庚午

13日に盆入りしたかと思ったら今日はもう送り火です。

ご先祖様もあっという間の里帰りですね。

今日の夕刻には、焙烙(ほうろく)に苧殻を焚いて、送り火です。
(っていうか、我が家の場合、それが送り火まで残ってなくて、時々、持て余した割りばし…だったりするんですが・笑。まっ、火があれば良しということで)

迎え火が、ご先祖様が帰ってくる目印であるならば、こちらはお見送りのしるしなんですかね?
と思うと、生暖かな夏の日暮れ時に、いつまでもいつまでも炎を眺めて過ごしたりするものです。

線香花火も送り火の代わりに…。

「線香」花火っていうぐらいだから、送り火にいいんじゃないの?
と思ったのがその最初。

線香花火

送り火の晩に、線香花火の様子をぼんやり眺めるってのも風情があっていいものです。

それじゃあ用意しておこうかと探してみたら、近所のコンビニでは線香花火だけは売っておらず、最初の年は、わざわざ浅草橋まで買いに行った。

浅草橋の花火問屋

初夏のころの浅草橋と言ったらもうこんな幟だらけなのよねぇ。
(そーいえば、いまごろは何が売られてるのかな?真夏に、浅草橋まで足を延ばしたことがなかったかも?)

ネットで買えることに今更ながらに気が付いて、今年は簡単に入手。
といってもバリエーションがそう多くないですけどねぇ。

ということで今年も首尾よく、伝統を受け継ぐ線香花火を。

といっても、今年は、左の「大江戸牡丹」のみなんですけど。
(他のは、かつて浅草橋まで行って購入した年の線香花火。素敵だったんでパッケージのみ記念に残しておいたのです。

花火袋

これら趣あるパッケージングがされている線香花火は、実は、一時すたれたものを、数年前に江戸の花火にかかわる職人たちが過去の資料を紐解き、適した材料を探し、実験を重ね、復活させたもの。

左が、地下鉄大江戸線の開通にちなんで名づけられた「大江戸牡丹」。
右は、同時期に、やはりかつての花火の生産地、九州にて復活した「不知火牡丹」。
この二つは、アマゾンや楽天でも入手可能みたいです。
そして、真ん中の渋い色合いの「徳川牡丹」は、夏になると芝増上寺の社務所で売られていたのですが、今はどうなのかな?

線香花火は、線香みたいな花火…の意味だったみたい?

逝った方に手向ける線香の名があるのだから、送り火にもいいんじゃない?
とこじつけてみたものの、一応、その名の由来も調べてみたら…。

この花火が生み出された江戸時代。
この花火は、香炉に線香のように立てて遊ぶものだったから、この名になった…んだそうです。

つまり、線香みたいな花火ってこと?
…うーん、川開きなどで打ち上げられる大輪の花火が、死者の弔う慰霊の意味をもつことから、てっきりそうだと思ったのだがねぇ。

それでも、やはり、寺田虎彦センセイの花火鑑賞法(『備忘録』の「線香花火」)に倣い、火花が、静々と燃え、「牡丹」→「松葉」→「菊」と、ひそやかながらも華やかに推移する様子は、やはり、魂をお送りするのに似つかわしとおもうのです。

◆今日は、2016年8月16日/旧暦7月14日/文月庚午の日/月齢13.3日
◆日の出5時01分 日の入18時29分/月の出16時49分 月の入2時31分