晩夏から気にし始めた秋の七草は、藤袴(ふじばかま)で4つ目。
「秋の七草」の中では、「女郎花」とならんで、この「藤袴」も、今が盛りで、ものすごい勢いで咲いております。
と言っても、遠目から見ると存在感がないのが残念な花…かも?
しかし、もはやこの花はそんじょそこらの空き地には咲かず、東京で確実に見ようと思ったら、やはり向島百花園と皇居東御苑のみです。
それと時々、街中のお金がかかってそうな期間限定の植栽とか、花屋さんの中でとか…。
実は、撫子、桔梗、女郎花、藤袴…と、
季節の先を走る秋の七草で、今や野生種はまれ。
「桔梗」と「藤袴」などにいたっては、自生種が減少しまくり、現代では絶滅を危ぶまれてもいるそうです。
ふーむ。
藤袴なんて、その辺に生えそうな雑草然とした姿カタチの草花なのになぁ…。
秋の七草、絶体絶命の危機?!
…なんてことになったら寂しすぎです。
恒例、藤袴の開花までをコマ回しにて!
って、大げさでした。
実は、向島百花園には、これでもかっ!と、やけにたくさんの藤袴が生えているもんで、この時期、蕾から開花まで全部順を追って観察できるのがバリュー。
なので、せっかくなのでこのブログでも毎年見せちゃおうと思った次第。
ってことでまずはつぼみ。
この時期はかなり地味で、こうしてみればかわいい蕾ですが、全体的に見るとTHE草!といった感じ。
庭園にでも生えてなければ、ここで駆除される可能性満載です。
で、糸くずみたいなものが伸びてくるのが咲き始め。
ここから少しずつ異彩を放ち。
どうだっ!
おっ!藤袴じゃん!と、気づくって次第。
でも遠くで見ると、糸くずがこんがらがった感じにしか見えなかったりするんだよなぁ…。
ってことで、個人的には、つぼみから咲いたあとまで全部揃ってるこんな時期が好きな花。
ところで、かの『源氏物語』では、この花をもって女性を口説きにゆくシーンがあって…。
しかもこの花が「藤袴の巻」と、そのままタイトルにまで採用されてたり…。
昔の人のセンスって、やや微妙…な気さえする。
実は、「藤袴」は、秋の七草唯一の外来種。
奈良時代に唐から薬草として渡ってきたものが野生化したというルーツを持っているそうです。
となれば、つまり「藤袴」は、当時のニューウェイブ「唐様」のひとつだったのかな?
そして、もしかすれば、今も昔も、実は、見つかりにくい希少な花ってことだったのかもしれません。
私も時々花屋でこの花を見かけ、家に飾ってみたいという衝動はありますものねぇ。
高すぎて買わないけど。
◆今日は、2016年9月6日/旧暦8月6日/葉月辛卯の日/月齢4.7日
◆日の出5時17分 日の入18時01分/月の出9時28分 月の入20時45分