2月の午の日は初午祭。
今日は、二の午、地口行灯を眺め倒しに千束へ。
今年の一の午は休日(2/12日曜)のおかげで大混雑。
なので、未だ入手ならずの「火防の凧」を授与いただきに行くか否か…迷うところ。
というのも…。
今日は、なにを差し置いてもここ、千束稲荷の初午祭に行かねばならない。
そして、並びまくる「地口行灯」をひとつひとつ鑑賞しなければなりません。
…いや、だからって何かご利益があるとかないとかは、不明。
それでも私を毎年強く誘う理由は以下のふたつ!
…たぶん。
江戸の初午祭といえば、
お稲荷さんの境内に「地口行灯」を飾るのが決まりだった!
2月午の日=初午祭は、全国の稲荷神社で祝われる行事。
その祝いのスタイルも様々なはずですが、この地口行灯スタイルは、江戸限定の冬の風物詩。
で、往時の江戸東京は、この日、町中が地口行灯だらけだったんでは?
…とも思う。
今も東京に残る稲荷神社の数。
他の神社に合祀されたものや、ビルの屋上に祀られたものや…と数えていけばきりがない、たぶん、いちばん数が多いのでは?
というところからの類推ですが…。
その姿を今に残す台東区・千束稲荷神社とそれを支える氏子さんたちの偉業を、やっぱこの目で見とこうかな…と。
そして…。
それ、駄洒落ですよね?
…と思わず突っ込む「地口行灯」の内容。
「地口」は、江戸人によって編み出された言葉遊び。
平たく言ってしまえば「駄洒落」的要素満載ですが、これがまた面白く深いのです。
たとえば、これは毎年飾ってほしいと思うMYベスト1。
「飛んで湯に入る夏のぶし」。
「飛んで火にいる夏の虫」のもじりですが、お武家さんが風呂に入るのにも刀をさして、しかも飛び込む?
もうそのビジュアル表現が秀逸すぎて笑えます。
そして、武士が支配する江戸の世にあって、しれっとこんな風に遊んでしまう江戸人。
…好きです。
教養があってはじめて笑える
地口の深さに興味津々。
地口行灯の言葉遊びは、江戸の庶民文化をベースに据えているもんで、その知識がないと歯が立たない。
たとえば、この「ひまの大工に五十両」。
地口に関しては、意味不明にて、長閑でなごむ絵柄だわ~!としか思えない。
しかし、調べてゆけば元ネタは「縞の財布に五十両」と気づく
⇒さらに調べて、それが『仮名手本忠臣蔵』五段目 「山崎街道鉄砲渡しの場」の名場面とたどり着き。
⇒ここにピンとくるって、忠臣蔵がどんだけ江戸庶民の間で流行っていたかの肌感覚にもなったりし。
⇒あまりなじみ無かった「忠臣蔵」に、こんなシーンもあったんだぁと、江戸文化の端っこをちょっとかすってもみたりする。
…という具合。
江戸文化への知識教養を磨くツールにすらなっております。
小さな声で申し上げれば…。(←拡大している時点でどうよっ!)
毎年通って⇒写真に撮って⇒意味を調べて、我がブログに載せよう。
…と軽く思っていたものがかなり大変!
◆これまで撮影した「地口行灯」
・吉原神社の地口行灯2011
・千束稲荷の地口行灯2011 その1
・千束稲荷の地口行灯2011 その2
以下は、作業中。こうご期待っ!
・千束稲荷の地口行灯2011 その3
・千束稲荷の地口行灯2014
・千束稲荷の地口行灯2015
まだかなり途中で立ち止まっております次第(しかも、2016年の記録は、PC壊してデータを消してしまいました!)
そして、今年も、また結構な数の「地口行灯」を写真に収め、けっきょく宿題が積み残されてゆく次第。ううう…。
◆地口行灯について少し詳しく書きました→初午祭の地口行灯
◆今日は、2017年2月24日/旧暦1月28日/睦月壬午の日/月齢27.1日
◆日の出6時18分 日の入17時31分/月の出4時29分 月の入15時08分