1945年の今日「東京大空襲の日」は、1990年から「東京都平和の日」。コロナ禍の中で思うことは、ホントに平和なんだろうかということだったり…。/旧暦1/27・丁巳

東京大空襲は76年前の本日深夜。

夜が明けて、空襲の中でも命を繋いだものが見た焼け野原の東京

現代に生きる自分は、その光景をどうやったって想像することはできません。
しかし、罹災を逃れた場所には、もしかしたらこんな風に春の花が咲いていて。

田端の寒桜

それを見上げた人はいたかもしれない。
…と、樹齢が長そうな大木の寒桜を見上げ、あの日とこの日を、無理やりにも繋いでみたくなる。

厳しい冬から、穏やかな春へと移り行く今頃は、なんとなくささやかにホッとして、緊張も緩む。
その隙をつくようにやって来た夥しい数の爆撃と未曾有の火災。

76年前の今日を含む日々は、果たしてどんな日々だったんだろうか?

今日は、せめて1年に一度、そんなことに思いを馳せる一日です。

今年も、またその「東京大空襲の日」を知る1冊…いや2冊を。

不戦日記

コミック『風太郎不戦日記』(1)(2)を読んで、往時にココロ沿わせつつ学ぼうか…と。

ホントは、原作の山田風太郎作『戦中派不戦日記』を紐解こうかと書店を物色。残念ながらそちらは在庫がなくて、代わりに目についたのがこのコミックだったのでした。

時代小説『忍法帖シリーズ』などで知られる作家・山田風太郎は…。

1945年(昭和20年)当時、東京在住の医学生であった。

その彼の、1945年1月1日から始まる、昭和20年の日記。
同世代の友人知人たちは皆、戦地に駆り出されたが、身体の弱い彼は召集を見送られ、東京にいた…だから「不戦日記」と自嘲した。

しかし、だからこそ、76年後に生きる私は、あの日々を、まだ何者でもなかった若者の視点に沿って知ることができる。
そして、読み連ねて思うことは、何か根底のところで何も変わってないように思える今の日本。

今日は、「東京都平和の日」なのだけれど、ホントに「平和」と名付けていいのか?
そんな風に心に問いかける一日でもあるのです。

◆今日は、2021年3月10日/旧暦1月27日/睦月丁巳の日/月齢26.3日
◆日の出5時59分 日の入17時44分/月の出4時21分 月の入14時25分