七十二候は「乃東生」に。暦がこう言い出すと、眺めに行きたい場所へ。上野のGeidai Hedgeで、冬の植物観察。/旧暦11/20・乙巳

七十二候は「乃東生(なつかれくさしょうず)」の時期です。(12月22日~25日)

「乃東草(なつかれくさ)が芽吹く頃」と暦。

「乃東草」は、「夏枯草(かごぞう)」とか「靫草(うつぼぐさ)」などの名で植物図鑑にちゃんと載ってる草

古い暦は、この花が咲く頃に、芽生えるとされる今頃に…と、2回も登場させる。
なのに、街暮らしの私は、まだ、この草に遭遇したことは一度もない。

まあ、でも。
遭遇しなくとも、この冬のさなかに、暦が「草が芽吹く」などというだけでも、そこはかとなく嬉しい
ちなみに、古い暦には、この冬の日々に、来る春を思い描くような言葉が、けっこう登場したりします。

暦が「乃東生」と言ったら、眺めに行きたくなるこの場所。

今年もふと思い立って、眺めに来ました。
「Geidai Hedge(芸大ヘッジ)」

Geidai Hdgde

ここは、上野公園から上野桜木町方面に抜ける場所にある東京芸術大学。
その周囲に武蔵野在来の苗木を植えた場所です。

さあて、冬の日々には、どんな変化があるだろう?

まず目につくのは、やはり美しい葉の色づき

楓系の木が多めだけど、これがいちばん気に入りの色づき。

楓の紅葉

オレンジ色のグラデーションが美しい。

「剃刀の木」こと「錦木」は、花も実の頃も興味深いけど、色づきの頃の華やぎは格別。

錦木の紅葉

きれいな赤です。

この美しいオレンジ色はなんの葉だろう?

プラタナスか

プラタナスに似てるけど、ちょっとわからない。

この冬のさなかに、実りも花も。

花は、大好きな柊の白

柊の花

そして、真っ赤な木瓜の花

木瓜の花

こんな寒さの中でも花咲く種があるっていいねぇ。

木の実は、小紫

小紫

野茨の赤い実とか。

野茨

この時期、紅葉・黄葉の華やかさの陰に隠れつつも、ちゃんと花も実もある武蔵野の樹々の面白さです。

もちろん、常緑樹もそろい踏み。

松も。

松

檜も。

檜

杉も、ちゃんと植えられている。
杉

この狭い一角に、樹々草々の奥深い世界が繰り広がる楽しさ。

そして、この先、これらの樹々が背高く育ったら、この界隈はどんな景観になるんだろう?
何年…何十年先のこの場所を想像するのも愉しい。

さあて、今度は、いつ出かけてこようか?

◆今日は、2021年12月23日/旧暦11月20日/霜月乙巳の日/月齢18.8日
◆日の出6時48分 日の入16時32分/月の出20時06分 月の入9時48分