雛市気分で、お雛さまを買う。紙だけどね/2/27=旧1/28・己巳

2月下旬の今ごろは、桃の節供へのカウントダウン。
かつては、京都、大阪、江戸市中の各所で雛市が立ち、いずこも夜も昼もないような賑わいを見せていたそうです。

雛人形その他を扱う露天市が立って、庶民はお祭りさながら出かけていったってコトですよ!
なんか羨ましいなぁ。

で、なんとなく雛祭り系物欲がたかまったりして(笑)、ご近所をうろうろ。
寒さが和らいだせいもあるか。

で、見つけましたっ!

hinamaturi

場所は、谷中・江戸千代紙の老舗「いせ辰」。
その名も「江戸組立錦絵雛祭」という千代紙です。

千代紙といっても、はさみでパーツを切って、組み立て→ミニチュア紙製の雛壇を作るもののようです。

プラモデルみたいっ!

江戸時代に錦絵のひとつに「立版古(たてばんこ)」という「おもちゃ絵」があって、その一種ですかね。

千代紙の中央の赤い四角は、緋毛氈。
まずは、それを切りだして、階段状に折り、左右の黄色い側面と張り合わせて立体にして雛壇を造ります。
そこに、錦絵のお雛様たちや、お道具を切り抜き雛壇に貼り付ける。
最後に、お内裏さまの背景に屏風を立てて出来上がり…って感じですか。

いや、もうこれ一枚しか残ってなかったもんで、もちろん想像の中で組み立てます。

かつては、こんな錦絵柄が千種以上もあったそうですが、こちらも大正時代を最後にほぼ廃れてしまったもの。
「錦絵雛絵」は、「いせ辰」が現代になって作ったオリジナルだそうですが、これすら、もうしばらくは刷らない柄なのだそうです。
実は、ココの千代紙としてはリーズナブル!(機械摺りなんだそうです)なもんで、ホントは、数枚買って、組み立て用と保存用、雛祭りの飾り用…と欲しかったんですが…。

まあ、しょうがないか。

しかし、コレ。
紙一枚のままでも十分に美しく、パーツの配置デザインも凝って千代紙としての存在感も十分にあり、加えて組み立てる面白さまである、バリューの大きいお雛祭り用品ではありませんか!!

お雛祭りにこんなものを贈られた女の子は、ちょっと特別。

そんな風に思える、今年の「ココロの雛市」の戦利品です。

◆今日は、2014年2月27日/旧暦1月28日/睦月己巳の日