「木の芽時」観察を忘れずに!/旧2/10・庚辰

春の語源に、草木の芽が「張る」(=ハル)という説。

そうと知れば、足元を注意しながらの道歩きに余念がありません。

ああ、確かに、数日前にはまだロゼットが目立つてた街のあちこち。
たとえば、コンクリートのひび割れを押し開くように雑草が芽…というより小さな花を咲かせてますね。
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そういえば、啓蟄を過ぎれば、季節は「木の芽時」とも言うし。
と、今度は樹木を見上げてみれば、青空を背景にして街路樹の枝先の芽がずいぶん膨らんで、

おおっ!これこそ「張る」!

もう少しで花の頃を迎える白木蓮です。

白モクレン

枝先は、けっこうな高さのところにありますが、背伸びして目を凝らし、よくよく観察すれば、芽は柔らかい産毛のようなもので覆われているのを発見。
白木蓮のつぼみは、なんだか、ねこやなぎに似ています。

植物図鑑を眺めるのが好きですが、そこに掲載されるのは、いちばん華やかな花のころの写真+木の実の様子ぐらいというのがやや不満です。

草木のほうは季節に合わせて変幻自在。

特に「木の芽」の頃は、寒い寒いと見過ごしがちですが、これは現物を見なければなかなか図鑑には登場しない。なのに、今まで見過ごしていたのがもったいないほどの興味深さです。

たとえば…。

梅は、枝先に付いた芽ひとつは、そのままつぼみになって開花するのは梅花ひとつ。
一方、桜はどうかといえば、芽ひとつの中に、花の元がぎゅうぎゅう詰めに入っているらしい。
枝先の芽が膨らんだところを観察し、そこからつぼみが3個も4個も出てきたときはやや感動したものです。

そして、この白木蓮。

すくっと、天を向いて、産毛で何かを寒さから守っているようなたたずまい。
守っているのは、今年の春…かな?

いつも、染井吉野に先がけそっと咲いて、ある日通りかかると、木の枝に真っ白い鳥がたくさん止まっているかのように見えて驚きます。

近頃は、寒い日と暖かな日がずいぶんな気温差でやってきて、しばらく続く過激な三寒四温と毎年パワーアップするスギ花粉。しかし、そんなものに打ちのめされるのは人間だけのようで、草木は元気に早春を謳歌しています。

春をひ弱にぐずぐずと過ごしているうち、はっと気づけば花の季節が到来ですよ!

◆今日は、2014年3月10日/旧暦2月10日/如月庚辰の日

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