春がどうしようもなく眠いのは、カエルに目を貸したからです。/旧3/17・丁巳

眠いんです。

うとうと201104

ほんとにほんとに…もう目を開けていられません。うとうとうとうと…。

うとうと201104_2

ネコでなくとも近ごろはっきり言って眠すぎです。

「春眠暁を覚えず」…ぐらいならまだ許せるのですが、春はことのほかぽかぽかと暖かく、終日気持ちの良い眠気に襲われてしまう今日この頃。

毎年性懲りもせず、なんでだろう~?

俳句の世界には、春の季語で「蛙の目借時(かわずのめかりどき)」という言葉があって、実は、眠いのはそのせいなんだとか。

「めかり」は、「妻狩り」のことでもあって、もうそろそろ、カエルの繁殖の時期到来。

そこで、カエルが、自分にぴったりのパートナーを探すため、いつもよりずっと良く見える目が必要とばかりに、人の目を勝手に借りて行ってしまうんだそうです。

なかなか素敵なおとぎばなしのような話をつくり、春の眠気をカエルのせいにしたのは、いったいどこのどなたでしょうか?

確かに、カエルの目は、頭の後ろのほうに付いている上に左右が離れてもいて、正面から何かをじっと見るのは不向きな感じ、なんだかちょっと見えにくそうですものねぇ…。
と、ぼんやり想像を楽しんでいたら、草むらから、もそもそ出てきたのは、かなりくたびれた感じのカエル一匹。

ああ、東京の空き地にもカエルがいるんだぁ。

と、ちょっとびっくりしつつも、じっと観察。

カエルの目といったら、位置がどうのとか、見えにくいとかいうよりも、そもそも、そうとうにぼんやり眠たそう。
で、目を貸してやったら、代わりにコレを人間が借りるってことなんでしようかね。
二つしかない目を貸してやったら、とりあえず、代わりがないと不便ですもの、まあカエルの目でも良しとします。

そしたら、そーとーに眠くなるのは当然でしょう。

…とか妄想にふけっていたら、肝心のカエルは草むらへ帰り、写真を撮るのを忘れましたっ!

しかし、春の昼日中の光景は、路地裏の猫も、ベビーカーの赤んぼも、カフェに入れば、隣で読書のご婦人すらも、うとうとしている(笑)。
電車に乗ったら、優先席のお年を召したご夫婦も、なーんか幸せそうな顔をして、うとうとうとうと…。

みんなカエルによく見える目を貸して、代用にカエルの目を借りたんでしょうか?

ああ、蝶々がゆらゆらと飛んでいきます。
蝶は、別名「夢虫」とも云われ、そんなものが辺りにちらちら踊っていれば、眠さはさらにさらに抜き差しならないものになって…。
ただひたすらに、うとうとうとうと…。

カエルのたまごがおたまじゃくしになるころ、遅くともその頃までには、貸した目を返していただきたいものですが、ああ、このままでもいいかもなぁ。

だって、何もかもがガサガサ乱暴に動き回る光景よりもずーっとこっちのほうが幸せだものね。

◆今日は、2014年4月16日/旧暦3月17日/弥生丁巳の日