我が街誇る老舗和菓子舗つる瀬の和菓子・春バージョン。
右から「ふく梅」、「桜大福」、そして「つつじ餅」です。
天神様のおひざ元がキャッフレーズなので、「ふく梅」は年中ありますが、「桜大福」は、不忍の池の桜が咲いて散るまでの季節限定。
そして、「つつじ餅」は、根津神社のつつじ祭りの祭期限定の扱いです。
なので、この3つが揃うのは、本気で今だけってコト。
しかもしかもっ!
「つつじ餅は」根津神社に程近い千駄木店一店舗の販売限定と、超ローカルで希少な和菓子。
はじめそう聞いたときは、「まさか、まさか!?」と、確認しに出向きましたが、実際、ホントに湯島天神下の本店では売られていませんでした。
さすがです。しかもこういうこだわりって好きです。
「つつじ餅」は、抹茶餡を求肥でつつんだお菓子。
表面にはややまだらにピンクと白、ときどきムラサキの氷餅をまぶした意匠がキレイです。
「これが、なぜつつじなの?」とか思っちゃったりします?
ならば、根津神社のつつじ苑のつつじを堪能してからこちらの店に立ち寄るという順番が正解。
根津神社のつつじは、一株ずつ、まあるく剪定された緑の植木が広大な苑に所狭しと並び、季節になれば、その球面を覆うように赤やピンクや白や…の花をとりどりにつけます。
これなんか、「つつじ餅」っぽくありませんか?
つまり、抹茶の緑は、選定されてまあるく刈り込まれたつつじの葉。
そしてまぶしたピンクや白は、花を表す…ってことでしょうか。
百聞は一見にしかず、想像するより、まあ、まず見に来てください。
つつじは、ゆるい斜面にそって植えられていて、苑の外側からその全容が見渡せます。
こんな風ね。
それをしっかりまぶたの裏に焼付けたなら、次に、「つつじ餅」が、つる瀬のショウウインドウに並ぶ様子をじーっと眺めてみます。
ほらほら、根津神社の庭園一面、花をつけたまあるい株が、ぽこぽこ並ぶ様子が頭に浮かんできたでしょう?
その場に足を運ばなければ、ちょっとこの和菓子の意匠は理解できないかも。
そこが、地元の人に愛される老舗つる瀬のこだわりなのかもしれません。
さて、他の街から、根津神社のつつじ祭りにいらっしゃるなら、お参り&つつじ観賞の後は神社の裏手へ抜けて、帰路は、ぜひとも千駄木駅から。
「つつじ餅」のつる瀬は、駅に向かう途中の不忍通り沿い、進行方向左手にあります。
今なら柏餅もお薦めですのでごいっしょに。
…って、その酔狂な期間限定、店舗限定に敬意を表し、ついつい私設PRをかって出る次第。
たぶん、こんな酔狂限定モノは、「つつじ餅」までだったかと思いますが、季節に併せたお菓子は、きっちり冬まで続き、その意匠もますます楽しくなってゆきます。
世の中は、超情報社会にして、お取り寄せはブームを通り越して常識になった感があります。
が、ここまでこなければ気が付かない、街の片隅には、そんな面白さもひっそり息づいているのです。
◆今日は、2014年4月25日/旧暦3月26日/弥生丙寅の日