二十四節気「立夏」は夏の始まり
暦が、今日は「立夏」と宣言しました。
上野の桜も、昨日散ったぐらいの気分というのに、もう夏ですか?
見上げれば、初々しい黄緑だった木の葉も、強い日差しを栄養に、どんどん深みを増すようです。
「立」は、始まるの意味を持つコトバ。
まだ、春の余韻を残しながらも、季節は夏へ向かってひた走る。
さあさ、皆々様ご覚悟を!と言われたかのような気分です。(←つまり、私は夏が苦手)
とはいえ、まだ5月。
暑いっ!という日もあってガッカリしますが、緑萌える木々を吹き抜けてくる南風は、若葉の香り。
おおむね爽やかに、まだ、のんびり暮らせる日々。
この時期にじっくりカラダを整え、来る酷暑の夏に備えることといたします。(←コレ重要!)
『暦便覧』は、なんという?
江戸の暦の解説書『暦便覧』は、「夏の立つがゆへなり」だから「立夏」だと。
もう、そのまんまじゃんよぉ、と突っ込み入れたくなりますねぇ。
「立」は、「気配が立つ」などと使うコトバ。
もしや、「夏の(気配)が立つがゆへなり」ってことかな?
まだはっきり夏とはいえない、しかし、注意深く過ごせば、夏の気配がそこここにある。
なんてことを説明してくれてるんでしょうか?
「立」の字を持つ「立春・立夏・立秋・立冬」のなかで、
「立夏」は断然エネルギッシュ
始まりの意の「立」。
この字をもつ二十四節気は「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の4つ。
暦ワールドではこれをまとめて「四立(しりゅう)」(詳しくはこちら)と言いますが、同じ始まるにしても、やはり「立夏」がいちばん躍動的です。
たとえば、二十四節気をさらに細かく分ける七十二候。
初候⇒「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」で蛙を鳴かせる。
次候⇒「蚯蚓出(きゅういん いずる)」で、 蚯蚓(みみず)が地上に這出して…。
末候⇒「竹笋生(ちくかん しょうず)」で、筍までにょきにょきと生えて来ます。
暦にキャスティングされる動植物は、地中もやっと温まったコトを示し、いよいよ、すべてが夏に向かってめまぐるしく動き出す。
こうして二十四節気と七十二候を併せてみれば、この日々が、いちばん変化に富んだ季節といえそうです。
…ひ弱なヒト(たとえば、夏嫌いな私とか)には、せめて普通の暑さであることを祈るのみですが(-_-;)。
◆立夏は、だいたい5月5日ごろ