7月9・10日は浅草寺の「四万六千日」。そして「ほおずき市」です/旧6/13・辛巳

毎年、7月上旬の下町は、忙しい。

というのも、7月に入ってすぐに下谷富士の開山式へでかけ、昨日朝顔市を終えたかと思えば、本日&明日(7月9日・10日)は、浅草寺の「四万六千日」そしてほおずき市。

20100710ほおずき

またもいそいそと浅草方面へと向かわなければなりますまい。

時々やってくる、カミサマ・ホトケサマのご利益大盤振る舞い

さて、浅草寺の「四万六千日」は、その名の通り、この日お参りすれば、4万6千日お参りしたのと同じご利益があるといわれます。

ホトケサマ方の縁日は、観音様が毎月18日、お地蔵様が24日などと古くから決められていますが、それに加えて室町時代頃から、月一回この日に参れば、特別にご利益が増すという「功徳日(くどくび)」が設けられるようになって、今に続きます。

言ってしまえば、月一回のご利益のバーゲンセールみたいなものですか。
…いや失礼。

といっても、仏教の世界には、一回回すと文字の読めない人でもありがたい経典を読み通したことになるという仏具があったり、「南無阿弥陀仏」と唱えることで阿弥陀仏が救って下さるという浄土宗の教えがあったり。
この「功徳日」のように、より多くのご利益に近ずくまでの道筋をショートカットする考え方はけっこうあります。

寺に限らず神社でも、祭りや縁日をもうけ、日常的な信仰に楽しいアクセントをつけようとするのも、ちょっと違いはあっても根っこは同じ。

おそらく、あまねく庶民にまでカミサマ・ホトケサマの教えを広めてゆこうとする合理的な考え方で、だからこそ、日本の中でのカミサマ、ホトケサマ方は、あまりハードル高くなく普通に広まり私たちの生活に空気のように定着したように思います。

「四万六千日」は、ご利益ショートカットの最高値かも?

20100710四万六千日

その功徳日の中でも7月10日のご利益は1000日(3年分!)ともっとも多く、かつてこの日にお参りすることを「千日詣」と呼んでいたそうです。
それが、浅草寺では、江戸の後期あたりから、どういう理由か46,000日(126年分!!!)とべらぼうな増え方をします。

なぜそんなにも増えましたか?

と、浅草寺のサイトを訪ねれば、「この数については“米一升分の米粒の数が46,000粒にあたり、一升と一生をかけた”など諸説ございますが、定説はありません」だそうです。

はー?
うーん、そうですかぁ。

しかし、増えた経緯などを含め、そこがぜひとも知りたいところなんですけどねぇ。

が、由来はさておき、そんな膨大なご利益ならば、「お得ですから行かなきゃ損損!」というわけでしょうから…いや違う?

…ともかく、参詣者の数も尋常ではなく、今も昔もそうとうな混み具合です。

浅草寺のサイトにもどれば、かつて、「さらにこの10日を待って一番乗りで参拝したいという民衆の思いから、前日の9日より人出があって」ということにまでなったもよう。
…それは、9日から夜通し待っていたってことでしょうね。

いや凄い気合の入れ方です。

それで7月10日の功徳日に前日を組み入れて、現代のように両日が「四万六千日」の縁日とすることになったのだそうです。
うーん。
やっぱり「買い物客が殺到しバーゲンセールのオープン時間前倒し」みたいだなぁ…とかつい罰当たり想像がとまりません。

…観音さま申し訳ありません。

「ほうずき市」が同時開催はご存知の通り

さて、もちろん、この縁日にちなんで、境内には「ほおずき市」が立ち、その数120軒(浅草寺のサイトより)。

20100710ほおずき市

いまや、「ほうずき市」が本家の「四万六千日」よりずっとポピュラーになってしまい、夕暮れ時の込み合う時間帯を迎えれば多くの露店に人がむらがり、ほおずきを眺めるのもひと苦労なぐらいの混雑です。

縁日が、偶然土・日にかかった年などは、昼間から延々混んで、いったい日本中…いや、世界中の人がここへやってきてるんしょうか?
と勘違いしそうになるぐらいの大混雑。

それでも、境内に足を踏み入れたならお参りはするべきだろうということでしょうか、ふと、本堂を見れば、観音様にお参りするため、お線香立て(煙を受ける巨大なアレです。)のあたりまで長い列ができていてびっくりした年もありました。

今年は、9日(水)10日(木)ですので、可能であれば、まださほど混まない昼日中に出かけて、お参りを済ませるのがオススメ。
その後は、熱気溢れる客引きをかわしかわしてほおずきを眺めてしばしぶらぶらいたしましょう。

夜の縁日のほのかな明かりがほおずきを照らす様子もいいけれど、空いた時間帯は、鉢に植えられたほうずき以外に、竹かご入り、巾着型のビニールに入りと、ほおずきの装いの工夫が楽しめます。
ほかにも、「釣り偲」や夕顔の露店をみつけたりと、新しい発見もたくさんあります。


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巾着入りのほおずきの可愛さ。惹かれます!

地下茎が四方に伸びて育つほうずきですので、下ろす土地を持たない私は、いつも見るだけ。
しかし、巾着に入ったほおずきの実には、毎年、食指がそうとうに伸びます。

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昨年などは、これを持ち歩くヒトからどうも目が離せませんでした。

本日、昼間にお参り予定ですが、はてさて、今年は欲求に打ち勝つことができますでしょうか?

だって、こんな風に売られている様子もかわいいんですよねぇ。

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そもそも、ほうずきの鉢を買うより安いし…(たしか500円ぐらいだったと思う)。

さらに、ベランダに釣り忍もいいなぁ…と、数日前から、脳裏をかすめる始末。
…いや、それは、ほうずき一鉢を買うより高いから!

…って、なんかお参りというよりお買い物にいくみたいな気分です。
俗世間の物欲はそうとう減りましたものの、縁起物方面のそれは、高まるばかり。

ああ、まったく困ったモノです。

◆今日は、2014年7月9日/旧暦6月13日/水無月辛巳の日