土用三郎の日に、麩まんじゅう

旧暦の世界には、四人兄弟がおりますようで…
って知ってました?

それはですね…。

・長男・彼岸太郎⇒お彼岸の1日目を言う。彼岸が年2回だから、2回ある。
・次男・八専次郎⇒旧暦の日にちのカウント法「六十干支(ろくじっかんし)」(⇒詳しくはこちら)の、壬子<みずのえね>の日から癸亥<みずのとい>の日までの12日間の中で、丑<うし>・辰<たつ>・午<うま>・戌<いぬ>を抜かした残りの8日を八専の日という。その2日目。年に6回。
・三男・土用三郎⇒土用入りから3日目。土用は春夏秋冬ごとにあるので年4回。
・四男末っ子・寒四郎⇒寒の入りの4日目で、年一回。

…の4兄弟。

役割的(?)には、この日が晴れば、農作物は豊作、雨ならば凶作…つまり、本日は、農事の吉凶を占う特別な日みたい。
他には、この日が「晴れ」たら、その期間中は晴れ続き、雨なら雨が多いみたいな説もあるみたいですが…。
つまり、彼岸太郎が晴れたら彼岸中は晴れみたいな…

さて、2014年の今年は、7月20日に、中国・四国地方が梅雨明け。
ということで、今日あたり関東地方もカラっとあければ、土用三郎さんも面目躍如となりますが、はてさてどうなることでしょうか?

ということで麩まんじゅうです。…って関係ないけど(笑)

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東京地方では、年中購入可能な和菓子ですが、なんとなく食べたくなるのは、ああ、そういえば、今年の夏も土用入りしたなぁ…と、思うあたり。

っていうのはこじつけで、この「土用三郎」のネーミングが可愛くて、何か思いを残したくなったのでした。

麩まんじゅうは、素材からして夏らしいまんじゅう

お饅頭といえば、ふつう、小麦粉などを練って作った生地であんこを包んで蒸したものをいいますが、麩まんじゅうは生地が生麩

生麩じたいも元をたどれば、小麦粉なのですが、見た目も食感もかなり印象が違います。

「生麩」は、小麦粉のグルテン(=タンパク質)だけを取り出し作られるもの。

・まずは、小麦粉に塩と水を加えてよく練る
⇒それを、布製の袋に入れて水中で揉んでデンプン質(=糖質)を分離
⇒残ったグルテンだけを蒸して作ります。

生麩の生地は、しっとりしているくせにコシもあり、舌触りものど越しもよい。
中に、つつまれた餡も、さらっとした軽めの漉し餡が主流。

普通のお饅頭のような重さがなくて、もちもちとした食感を楽しみ、つるつるといくつでも入ってゆきそうな感じです。

意匠も青々とした笹が見た目の清涼感を演出

加えて、笹でしっかり覆ってイ草で結んだものや、麩饅頭の顔をみせて熊笹一枚でくるっと軽く包んだものなど、かならず笹が重要な役割を持ち、見た目の涼しさを醸します。

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今年の麩まんじゅう第一弾・入谷の岡埜竹隆庵のもの(つまり、第二弾・三弾もあるってことです・笑)は、そこに水色の飾りがさらに清々しさを演出。

このお菓子が似合うのは、やっぱり、それなりの暑さがあってこそかもしれません。

お茶は、やっぱり爽やかな水出し緑茶なんかがいい。

麩まんじゅうが食べたい!ならやっぱ「水出し緑茶」か!
ってことで、買ってきた麩まんじゅうを冷蔵庫で冷やしつつ、「水出し緑茶」をしこみつつ…待ちます。

緑茶と笹と麩まんじゅうに練りこんだ青海苔と…。
この緑爽やかなグラデーションも、なんとなく夏の清涼感を呼んできます。

麩まんじゅうと緑茶

さあ、冷たくひやしたのをいただきま~す。
(冷やしたら、笹の葉が少し乾燥しちゃいました!!)

◆今日は、2014年7月22日/旧暦6月26日/水無月甲午の日