今日7月25日は、「かき氷の日」なんだそうですが、そんな記念日もあるんですね。
最初、氷の記念日じゃあなくて?
なんて思いましたよ。
記念日にするには、なんというか、範囲が狭すぎるっていうか、細かすぎるっていいますか…。
しかし、氷の日のほうは、6月1日に記念日が用意され、“江戸時代、加賀藩が将軍家に氷を献上し「氷室の日」として祝った”ことからという由緒正しき由来まであります。
一方、「かき氷の日」は、かき氷の別の呼び方「夏氷」を持ち出して、「な(=7)つ(=2)ご(=5)おり」って、…ああ、またただの語呂合わせかぁ。
えっ!
それだけではない?
あっそうそう1933年の今日、山形市で日本最高気温40.8度を記録したことにもちなんでいるんだそうです。
暑いに日は、やっぱり、かき氷を食べて涼をとりましようよということでしょうか。
うーん、こじつけすぎるなぁ。
しかも、その国内最高気温も2007年8月16日に埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で40.9℃を、2013年8月12日に高知県江川崎市で41.0℃を観測。
記録日はほかの日に奪われてしまいました。
ならば、「かき氷の日よもう一度!」とすればいいじゃないかと、思ってもみますが、「816」とか「812」はかき氷とも夏氷とも語呂合わせは難しい。
さらには、地域によってはお盆のさなか。
カキ氷をゆっくり食べてる場合でもないでしょうか。
まあ、でも、このニッチすぎる感じがキライじゃあないので良しとしましょう。
なにより、かき氷は、立秋前の7月中には、一度食べときたい
かき氷は夏のモノ。
暦の上とはいえ、やっぱり、夏の間に食べておきたい。
梅雨も明け、気温がぐんぐんあがる7月下旬の今頃。
きりきりっと暑い夏日に、汗をかきかき我慢して歩くと、まず視界に入ってくるのは涼しげ白×紺地に堂々赤く「氷」と書かれたあの「氷旗」。
すかさず、あいてる席を見つけて、
「すみません宇治金時をひとつ!」
店の奥から、シャリシャリという音を聞きつつ、昔のかき氷は、砂糖だけが「雪」で、砂糖蜜が「みぞれ」、小豆餡をのせたのを「金時」っていったのよねぇ。
私は、メロン&レモンにイチゴシロップの世代だけどさ
…などと、ココロの中で、かき氷の豆知識をひとしきり展開。
そういえば、清少納言の『枕草子』では、かき氷は「あてなるもの」=上品なものっていわれていたっけ。
「削り氷にあまずら入れて新しき金椀に入れたる」って、かなり厳密なシチュエーションだけどね。
だけど、氷削り機もない時代に、どうやって削り氷を作ったんだろう。
そもそも氷も相当なぜいたく品だったはず…。
夏の氷は時間が勝負。
このぐらいの浅薄な知識が頭の中をぐるっと回るぐらいの短い時間で、ふんわりさくさくの「宇治金時」がやってきます。
これは、ご近所で一押しの、上野桃林堂の「こおり金時」。
さくさく削った氷にシロップがたっぷりかかったやつを、ざっくりひとくち。
さあ、急いで急いでとどんどん食べると、やがて、キーンとこめかみに来てウーン。
美味しさと冷たさがごちゃ混ぜになって、気がついたらじっと目をつぶっていたりしして、はっとわれに返って、またさくさく、キーンを繰り返し、氷が溶けて器の底にだらしなくたまる前に、はいごちそうさまでした。
…というのが、勝手にそう思っている正しいかき氷の味わい方。
それが8月に入ってまたいただくと、なんとなく、氷と暑さのメリハリがなくなって、かき氷の冷たさへの感動がやや薄れた感じもするのです。
いくら暦の上といっても、秋の気配は早々にやってきて、8月に入るとふと漂う空気も真夏の暑さとは趣を変える。
人間のほうが暑さに慣れてきてしまうというのもあって、耐え難い暑さというのが、案外、かき氷の隠し味です。
だから、かき氷の日が今日というのも、なかなかいいタイミングかもしれません。
わがご近所、谷根千は、そうしてこだわって食すのにふさわしいかき氷激戦地区です!
まずは、上記の正統派老舗・桃林堂の「こおり金時」。
繊細にかいたこおりの上には、かなり上質な抹茶がほどこされ、スプーンでさくさく探ってゆくと、上手に炊いた小豆とかきめ細かに白くもちもちの白玉とか…の言ってみれば繊細に作られた宇治金時。
その季節になると、張り出されるポスターすらもうまそうです。
そこから、徒歩5分とかからぬ至近距離にある、カヤバ珈琲の「ジンジャーシロップかき氷」は、ちょっとオトナテイストな氷。
谷中しょうがで作った特製シロップがほの甘いながらもしょうがの存在感にあふれ、素材は昔ながらをつかいつつ、ニューウェイブな味わいです。
(で、今年は、新作「はちみつレモン」のかき氷も登場したみたいですよ。)
そこに、根津の「芋甚」には氷牛乳もあり。
灼熱の夏、身もココロも「今日はかき氷モード!」となってなお、さて「どれをいただくべきか」と悩むことたびたび。
そして、新興勢力のかき氷専門店「ひみつ堂」まで登場!
とにかく、我がご近所は、知る人ぞ知る、かき氷密集地帯になっております。
ぜんぶ食べたい!
しかし、かき氷の食べ過ぎって…いくら夏でもなんだかカラダに悪そうだしなぁ。
そして、かき氷を目いっぱい楽しむのなら、最高気温31度、32度ではまだまだ早い。
33度以上もしかしたら35度とかの、相当に暑くなる日をじりじりと待ち出かけるのが、実は正しい…と思うので、今年は、ホントこの日が記念日なのはもう似合いすぎってものです。
ちなみに、本日の東京地方の予想気温34度!
いきなり暑すぎですよぉ~!かき氷がないとマジで大嫌いな暑すぎる夏っ!
ということで、キーンとコメカミにくる冷たさ楽しんで、暑くてやっぱり嫌いな夏をこうして時々いとしいものに変えるためにも、かき氷は存在します。
◆今日は、2014年7月25日/旧暦6月29日/水無月丁酉の日