えー、昨日に引き続き、夏の記憶の近いうちに食べたほうが美味しいモノ。
それを食べ忘れていないか考える私です。
しつこいほどに暑かった日々も、少し和らげば、去りゆく季節が惜しくなるってコトですね。
まったくいい気なものですが…。
あっ!と思い出したのが枝豆。
もう早々と6月頃からスーパーの棚に並んでいたのは記憶にあります。
ただし、あの頃はまだ高かった。
やがて、暑い日に、ビールに枝豆…みたいになんとなくセットで人気急浮上する食べ物ですが、私はアルコールが苦手。
そんなこんなで、枝豆のことを忘れてました。
なんと、枝豆は秋の季語!
早速買ってきましたっ!
ふふふっ、安くなってた。
で、てっきり夏の食べ物かと思っていましたこの枝豆。
実は、秋の季語なんだそうです。
そして、本当に美味しくなるのはやっと立秋も過ぎた頃からだそうです。
…スーパーの棚にあったポップの知識なんですが(笑)。
「大豆は花を咲かせてひと月で枝豆を実らせ、さらに加えてひと月で大豆に育つ」
と教えられ、一瞬「???」となったことがありますが、あれはいつのことだったでしょうか?
枝豆は、大豆の未熟豆。
若い大豆のなかから、莢が密生していて豆が大きく育ったものを選んで取って枝豆として食べる。
そのとき枝ごととって収穫されるから枝豆という名前がついたんだそうです。
江戸時代には路上に枝豆売り。枝つきのまま茹でて売られた
江戸の風俗をまとめた喜多川守貞の『守貞漫稿』(近世風俗志―守貞謾稿 (1) 岩波文庫)には、「湯出豆売り」(p278)というのが登場しますが、それこそが枝豆売り。
<夏の夜にこれを売る。特に困民(貧しい人々)の業とす。男子あり、あるいは婦あり(売り手は男女両方いる)。(略)けだし婦は江戸に多し。( 江戸では女子が多い)>と記述があります。
そしてイラストも。
貧しい人の生業とか言われても、夏の夜に枝豆が売られるなんて、なんかいい感じです。
しかも、江戸では、<豆の枝を去らずに売る…>のだそうで、枝に付いたままをざっくり茹でて売られていたみたいです。
白地に紺縞の浴衣なんかを粋に着こなし夏の夕涼みに出かけたところ、辻には、茹で上がったばかりの枝豆を商うひと。
ほのかにうまそうな枝豆の匂いも漂っていて、つい「一枝いくらだい?」なんて声をかけたんでしょうか?
そして、その青々とゆでられた枝豆から豆をひとつひとつ外し、味わいながらそぞろ歩く。
現代の下手なファストフードよりずっと栄養価も良くて小腹も満たし、なにより風情がある光景に思えませんか?
これを当時は、「枝付き豆」または「枝成り豆」と呼んでいたそうで、こっちのほうが、「枝豆」の名前の由来かもしれませんね。
…というか、こっちが名前の由来だった方がステキ!
能書きはこの辺にしてとっとと枝豆を茹でていただきましょ
(やはりスーパーの棚に貼られたポップの知識ですが)枝豆を茹でるには、鍋にたっぷりの水を入れ沸騰させるのが最大のコツ…だそうです。
・思い切って、枝豆の2倍ぐらいをぐつぐつ沸かし、水には、塩を一つまみ。
・沸騰したら枝豆を枝ごと入れて3分とか5分とか待ちます。
・よーく見とけば莢が開いてくるのがあるので、そしたら火を止め、枝豆を笊にあげて水を切るまでを一気に。
あとは、団扇でパタパタ扇いで余熱を逃がす。
暑い日々にはなかなか冷めずに色が悪くなってしまうので、氷水にささっと通すというのもありだとか。
しかし、今ごろならば、そこまでの気づかいは無用。
高いところから塩をかけまだ暖かい茹でたてをいただきます。
莢にそのまま喰らいつき、パクパクパクパク…。
ああ、止まりませんよやっぱりこれは夏の味だ!
あっそうだ!と、むりやりちょっと残して、砂糖+みそ炒めにする。
枝豆を食べてるうちに、今年帰省した時に母が作ってくれた枝豆味噌炒めがめっぽううまかったことを思い出したのでした。
そして、炒めてるうち、お盆帰省時に枝豆を食べてたことがふつふつと記憶に上る(笑)。
なあんだ、実は、今日の枝豆は、今年2回目だったのでした。
が、美味しいからまあいいかぁ~。
◆今日は、2014年8月30日/旧暦8月6日/葉月癸酉の日