今日から、七十二候は、「禾乃登」の日々に入りました。(9月2日~7日)
読みは、「こくものすなわちみのる」、そのまま「稲などの穀物が実る」という意味です。
稲穂が実れば、ああ、もう完璧に秋ですよねぇ…。
季節の移り変わりは早すぎです。
がっ、東北産のお米をいただいている身としては、新米の時期にはまだちょっとある。
そんな夏と秋のはざまの実りといえば、あれかな?
と、いつものあの雑草のハンティングポイント(笑)へ行ってみました。
勢い茫々と夏草が生えるだけの空き地には、雑穀のフェイク
って、雑草のオオイヌタデ(大犬蓼)のコトなんですが。
イヌダテの花の別名は「あかまんま」。
花がそのまま赤い雑穀にみえませんか?
それがどあぁ~っと咲いてる空き地を知っているんですねぇ~。
と出かけてみれば、ああ、なんと、こまごま建売住宅が建ってしまいました。
うーん、残念。
というコトで、写真は、去年のモノです…しくしく(涙)。
田舎の秋は、ままごと料理のごっこ食材に事欠かなかった子供時代
東北の街の空き地なら、いまごろ勢いをます犬蓼(イヌダテ)の花。
この花の様子を眺めていると、小さなお茶碗でも用意してそこに花の部分だけそぎ落とし、おままごとごっこをやってみたい気分になりませんか?。
オオイヌダテほど大きくありませんが、この花が咲き始めれば、夏休みが終わってしまう残念なしるし。
それでも、こどもたちがままごと遊びに熱中する季節の始まりでもありました。
田舎育ちの子ども時代は、そこらに自然に生えてるものとか生きてる虫が遊び道具。
秋近くなり、別称のほうで「あかまんま」とよんでたイヌダテの花が空き地にどあーっと群生すれば、そのまま茎から外してその名の通り「お赤飯」のいっちょうあがりです。
…ってもちろんそれはままごと遊びですけどね。
といっても、記憶に残るそれは、家庭ごっこ遊びをするままごととはちょっと…いやかなりちがう。
まずは、フェイク料理のフェイク食材を空き地や草むらから探し出し、そして独創的な料理に挑み、完成すればそれを見せ合い競うというスタイル。
もちろんフェイクの…ですが。
フェイク材料&器は、その辺にある草や樹や、うろぬいた実とか…
我が子供時代のフェイク料理の作り方はこんな風。
・主だった食器類→イチジクとか柿とかの大ぶりの葉やささで編んだかごもどき。
箸→もちろん小枝使い
・主たるおかず→オシロイバナ、ヨウシュヤマゴボウほか、あらゆる雑草と木の実とか
・デザート→果樹園の根元にころがるうろぬかれた青いミニチュアの果物。
そしてご飯は、かならずといっていいほど、あかまんまのお赤飯です。
もうそれはそれは、教室でもみせたことのない真剣さ、もちろん宿題などそっちのけ、思い返せば、随分凝ったことをやってました。
イヌダテは、そんな子供時代の記憶までもってきてくれる。
かなり古い付き合いの秋草のひとつですね。
イヌダテは、その名のとおり「蓼食う虫もすきずき」の蓼(ダテ)の仲間
「蓼(ダテ)食う虫もすきずき」=辛い蓼(ダテ)でも好んでくう虫はいる。
ご存知の通り、ヒトの志向や考え方は多様であることを喩えたことばですが、イヌダテは辛くないので、実は、この諺のダテの中には含まれないそうです。
香りがよく辛味をもつため、香辛料として古くから使われてきたのは、食用の「やなぎ蓼(ダテ)」ひとつ。
ただ単に「ダテ」といえば、この種のみで、その他のものは辛味がなく、つまりダテとしては偽者だから犬の字を頭に載せて「犬蓼(イヌダテ)」とした。
実は、植物の名の頭に「犬」とついてしまうと、ときどき「にせもの」あるいは「役立たず」の意味を隠し持つらしく。
って、ちょっと犬にも他のダテ植物にも失礼じゃあないの?
しかし、そうして、怒ってみるのもまた単なるヒトの事情。
イヌダテのほうは、そんな名前の意味も解すはずもなく、空き地と見れば、どんどんどん広がってゆく…はずが、うーん。
消費税増税が決まったあたりから、なぜだか、都会の空き地が目減りして、今年はイヌダテ探しも困難を極め。
あっ!コレは?
道路の際ににょきにょき生えてる、これは、オオベニタデ(大紅蓼)!
「これだけあったら、もうあかまんまを何杯分作れることか!」と、心躍らせながめ見る。
しかし、この巨大イヌダテの根元を見たら、ああ、鉢植えの状態でして、飼い主…もとい、持ち主いるんだろうね…。
で、さきほど、如雨露で水遣りするその持ち主も目撃してしまいました。
うーん。
フェイクの赤飯も本物の穀物の収穫も、まだなお早しの、とりあえずは、都会の秋のはじまりです。
◆今日は、2014年9月2日/旧暦8月9日/葉月丙子の日/今日は上弦の月
◆日の出5時13分 日の入18時08分/月の出12時07分 月の入22時40分