ゴールデンウイークをそれぞれに過ごし、さて日常にと思った頃に夏祭りの季節があるように、
お盆をつつがなく過ごせば、秋祭りの日々がやってきます。
夏が、これから来る疫病や災害の季節を前にした邪気・厄災祓いの祭りであれば、
秋は、今年も無事実りの季節を迎えたという感謝の祭り、収穫祭の位置づけでしょうか。
東京の町でも古い歴史を持つ下町に住めば、毎週末ごとに祭囃子が聴こえる季節になりました。
私の住む谷中・千駄木界隈では、日暮里諏方神社が、8月23日・24日に例大祭で賑わったのをかわぎりに、駒込・天祖神社の例大祭が9月13日・14日、根津神社は、9月20日・21日と、大きな秋祭りが続きます。
駒込・天祖神社の例大祭は、大神輿渡御が見ごたえたっぷり
実は、わたくしの部屋からお祭りの行列を眺めることができたりします♡
列の先頭はたぶん宮司さんほか神職の方々。
そして、来ました神様が乗られる本社神輿!
大正11年に製作の台座三尺八寸の千貫神輿とも言われる巨大さ!
相当の人数でかわるがわる担ぎ手も変わるみたいです。
よーく見てると、その入れ替わりの技すらすごい!です。
お神輿は、カミサマの乗り物なので、本当はこんな上から見るのはルール違反なんですけどね。
もうしわけありません。
そして行列の最後には、雅なお姿の方々。
天祖神社の御祭神は天照大神。
つまり皇室に連なるともされる神様でもあって、だから、平安時代のお公家さんの格好なのかしら?
…うーん、このへんはよく分かりません。
で、その後ろの人力車も。
ちょっと時代背景が違うのでは?とも思うのですが、どうなのでしょうか?
翌週の根津神社・例大祭は、法被&お神輿で街をにぎわす
根津神社の方は、夕刻頃から町中を練り歩くお神輿渡行がけっこうスゴイ。
帰宅途中に、神輿行列に出会った日には、ちょっと嬉しかったりします。
そこに神社があってカミサマがいらっしゃり、周辺に住む氏子たちが営々と守ってきた場所であるならば、祭りが行われてきた歴史は古く、これは、日本人にとって秋の代表的なハレの日でもありますね。
順に祭りを追ってゆけば、秋の日々は、祭りのみで過ぎ去ってゆきます。
ちょっとした思いつきなんですが、手元にある江戸・東京の年中行事の参考書を全部ひっくり返し、江戸時代からの祭りの日程を調べてみました。
参考書は、以下の4冊。
『東都歳時記 2 』(東洋文庫)(齋藤月岑 著)
『東京年中行事 (2)』 (東洋文庫 (121))(若月紫蘭 著)
『絵本江戸風俗往来 』(東洋文庫 (50))(菊池貴一郎 著)
『江戸の歳事風俗誌』 (講談社学術文庫)(小野 武雄 著)
くまなく調べてみれば、それらの祭りは、江戸時代からその日程もほぼ変更されることなく今に続いているという事実。
いゃあ、ちょっとコレってすごくないですか?
少し書き出してみましょうか。
◆水掛けと豪華なお神輿で有名な、富岡八幡宮の例祭「深川八幡祭り」→8月15日
ちなみに八幡様のお祭りは、いづれも8月15日が決まりで、あるいは旧暦にちかい9月15日ごろに行われます。
◆8月下旬→亀戸天神、日暮里諏方神社
◆9月→芝大神宮のだらだら祭、赤坂氷川神社、根津神社、白山神社、
◆10月→護国寺の今宮神社
…etc。
そして、江戸時代には、ここに神田祭が加わり(現代では、5月の祭り)江戸東京は初秋から晩秋にかけて祭り一色だったようです。
仮にすべてハシゴしようなどと考えれば、祭りのみで秋の日々は過ぎ去ってゆきそうですね。
…なあんて、そんなことを考えることじたい罰当たりでしょうか。
秋晴れの中でゆっくり進む、祭礼の行列。
宵闇を割って、移動する、お神輿のチカラ強さ。
それらを、毎秋眺めて、なんだか少しホッとする。
ニュースを見れば、いろいろ問題山積の今日この頃ですが、カミサマをお連れするこれらの行事だけは、なにがあっても、中止してはいけないものとひそかに強く思う秋です。
◆今日は、2014年9月12日/旧暦8月19日/葉月丙戌の日
◆日の出 5時21分 日の入17時53分/月の出19時58分 月の入8時34分