七十二候は「地始凍」。凍らないので勝手に「林檎実(りんごみのる)」/11/13=旧 閏9/21・戊子

七十二候は、「地始凍(ちはじめてこおる)」の季節に入っております。(11月12日~11月16日)

…って、東京らへんでは、まだ凍らないって!
というか、雪が降る季節にならないと、自然に凍った様子も見ることはできません。

うーん。
ここまで来ると、この七十二候は、どの地域に焦点を当てて作られたのかが気になるところ。

いや、もしや『略本暦』(このブログの二十四節気&七十二候は、この暦を参考にしています)が作られた明治初期は、東京もしっかり凍りはじめるぐらい寒かったのかな?

ってコトで、いつものように勝手七十二候

凍らないので、「林檎実(りんごみのる)」はいかがかな?

いつものように、食い物関連で恐縮ですが、そろそろ林檎が安くて美味しい季節ですものしょうがありませんよね。

りんごの産地である、我が福島のりんご畑も、こんな遠くからも見て取れるりんごの存在感。

福島のリンゴ畑

もうすでにたわわに実り収穫の時期を、今か今かとまっている様相。

ほらね!
りんご

東京でも、ちょっと前にスタートした柿に並んで、採りたてが並び(安くなり!←コレ重要!)果物の旬はりんごが本番になりつつあります。

特に保存技術が発達し、年がら年中見かけるりんごも、今頃の季節以外は「ふじ」が優勢。
国内で最も多く生産されている品種なのでしかたないのでしょうが、よくよく気にしてみればこればっかりです。

それが、秋めいてくれば、 「津軽」とか「紅玉」、「千秋」などが登場しはじめ、そろそろ本当のりんごの季節が近くなる。

そして11月上旬、やっと晩秋めいた今頃、近所のスーパーや八百屋を流してみれば、「秋映」「シナノスイート」「王林」「国光」「世界一」「ジョナゴールド」「さんさ」「陽光」…などなど。

そこに、ときどき「早生富士」とか「サン津軽」なんて名前も並び、もうたくさんに増えて何だか嬉しい。

ちょうど、この3つがよりどり販売してたんで買ってきました。

買ってきたりんご

左から「サン富士」「ジョナゴールド」「王林」。
このままひとばん外に飾って、まずは漂うりんごの香りを楽しみます。

で、なんで、お尻をだして並べているかって?

実は、いましがた、TVで甘さの確認法をみたばっかりなんで(笑)。
赤いりんごはお尻まできちんと色づいているのが蜜が入っているんですって!

だいょうぶかな?

覚えて損ない、りんごの名に付く「早世」と「サン」の意味

ちなみに、「早生」と「サン」は、りんごの品種名の頭についてけっこうスーパーの棚でもおなじみです。

「早生」がつけば、旬より早い時期に市場に出回ってますという意味。
まだ若いゆえか、同じ一山を買っても味に微妙なばらつきがあり、甘みやすっぱさがそれぞれ。
それが面白くて本道の長期保存の「ふじ」を買わずにこちらに手を出す。

「サン」は、袋がけせずに太陽に当てて育てた種だよというお知らせみたいなもの。
で、りんごは太陽の光を浴びて甘くなるので、「サン」がついたら不恰好でも甘みは保証されたりんごだと思って買い。
…なんて、ときどきちょっとはずしますけどね。

スーパーや八百屋で売られているりんごは、ほぼ「西洋林檎」

今、お店で買えるりんごの多くは、実は、植物学の世界では「西洋林檎」と呼ばれ、もとは海外から入ってきた種。

それも、開国間際の江戸末期。
江戸城下の各藩邸で実験的に栽培されたのがはじめなのだそうです。

海外からもたらされた苗を、当時人材が豊富だった植木職人にまかせて育て、実をつけたため食してもみたらしい。
それが、明治政府の世になって本格的に栽培が始まり今に至った。

幕末以前までのりんごといえば、もう少し小さい直径が5センチも無い「和りんご」という種で、そちらは、平安時代に中国から渡ってきたもの。
今ではほとんど目にすることもありませんし、多くの日本人はその存在があったことすら知らないかもしれない。
しかし、和りんごは、かつて、仏事用として盆の頃の供物に欠かせなかったらしいです。

その、「和りんご」も食べてみたいですね。
今もあるのかな?

これはちょっと宿題です。

さあさ、りんごを食べましょう!

赤い「サン富士」を手にとり、へたの側から少しずつむいてゆきましょうか。
りんごを持つ手をくるくる回してゆっくりゆっくり…。

そして、食べやすい大きさに切って…。
切ったりんご
まずは、ガブリとひとかけ。

シャリシャリといただきながら、もう少したったらサツマイモと一緒に煮ようかと考える。
冬になったら、焼きりんごを作ろう。
ジャムもいいかもね。

そして、本格的に冬の気配が近づくころには、故郷から今年もぎたての「ふじ」が送られきます。

◆今日は、2014年11月13日/旧暦 閏9月21日/長月戊子の日
◆日の出 6時14分 日の入16時36分/ 21番目の月も「更待月(ふけまちづき)」の出22時15分 入11時13分