季節の暦、七十二候は、ただいま「鮭魚群(さけのうおむらがる)」
鮭が群れをなして、故郷の川を産卵のために上っていく頃だといっています。
そして、12月17日~12月21日なんで、またもぎりぎりの明日まででした!!
四十二節気の「大雪」の連なる七十二候は、
・初候「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」12月 7日~12月11日
・次候「熊蟄穴(くまあなにこもる)」12月12日~12月16日
・末候「鮭魚群(さけのうおむらがる)」12月17日~12月21日
…と、なんだか自然の厳しさを想像させるものばかり。
なんか、うまく、わが暢気な生活に、こじつけ…いや、置き換えられなくて難儀します。
で、魚つながりでこれはどうだっ!
…と、「たいやき」を買ってきました。
うーむ、やはり、ほとんどこじつけですな。
用事があって久しぶりに出かけた神楽坂。
坂の途中にある評判の店「くりこ庵」のたいやきです。
年がら年中売られているものですが、個人的には、寒くなってからしか食べたいと思わないモノの筆頭。
というか、春・夏・残暑の秋ぐらいまで、その存在を忘れているかもしれません。
が、木枯らしが吹きはじめ、冬将軍が出陣…とか天気予報を耳にすると、いきなり食べたいスイッチが入る。
となると、出先でなんとなく探しているのは、その街のたいやき屋さん
…だったりします。
我が街のたい焼き「根津のたいやき」看板下の列も、
冬はいっそう長いような..。
と思うのは、やはり本格的な冬が始まってからです。
しかし、どんなに長い列であっても、寒い時のたいやき店の前に連なるものであるならばほどココロ惹かれてる不思議。
いゃあ不思議ですねぇ。
で、こちらが、我が街「根津のたいやき」のたいやき。
「根津のたいやき」は、不忍通りの根津駅・千駄木駅の、ちょうど中間地点にある界隈の大人気店。
実は、この街に引っ越してきてからしばし、
“小さな店頭にやみくもに長い列”状態。
あるいは、“今日はうりきれました”という紙が貼られた閉店状態
…というのしか見たことがなくて、気になってはいたが、並んでまで買う勇気なし。
ある寒い1日に、無性に「たいやき食べたいモード」に入り、思い切って並んだのは、引っ越し後3年目の冬。
長い列の最後に自分も連なり、北風が木の葉を舞わせるのをぼんやり眺めながら待ち。
ほどなく、ほかほか焼きたてを、袋にガザガザ入れてもらう。
たいやきやさんは、捌き上手。
どんな長い列でもそう待たされることがないと知って、以降、冬場の「根津のたいやき」おやつ率はかなり上昇したのでありました。
お行儀悪い食べながら歩きもちょっち許されちゃう?
さてさて、たいやきを買ったら、袋を通して伝わる温かさを感じながら、いそいそと家路を急く。
がっ、時々、途中で、我慢しきれずひとつ取り出し頭からガブリ。
もぐもぐ歩きながら食べるお行儀の悪さもなんのその、焼きたてほど美味しいのですからしょうがないのです。
ふと、あちらからやってきたのは、同じたいやきを歩きながら食べる同志。
少し照れ笑いしながら、小さく会釈などしてすれ違う。
…なーんていうのも楽しいのよねぇ~(^^♪
たいやきの「天然」と「養殖」
ちなみに、たい焼きの型は、1匹ずつ分かれた型と、たくさんの数をいっぺんに焼く型との2種類あるって知ってました?
・一匹ずつ焼く型で作るほうを「天然物」。
・大量に焼ける型を使ったほうを「養殖物」。
なんだか本当の鯛のように区別したみたいですね(笑)。
と知れば、たいやきやさんを見かけるたびに観察しきり。
しかし、一度にごっそりと焼ける「養殖物」が主流なようで、それしか見つかりませんでした。
ちなみに、最初の写真の「くりこ庵」も、「養殖物」。
…といっても、パリッとした皮に、こっくり美味しい餡のバランスが絶妙で美味なので「高級養殖」かな。
で、一匹ずつ焼く「天然物」は、手間がかかるからでしょうか見つけることができません。
うーん。
この現代では、使っているのはこだわりを持つ「たいやき職人」だけ…ってことなんでしょうか。
出会ってみたい。
が、灯台下暗し、
「根津のたいやき」は、ばっちり「天然物」の焼き型でした。
列の先頭に近づいたら、ちょっとさりげなく覗いてみれば、長い鉄の取っ手が並んでいました。
その先は、ガスが轟々と炎をあげる中、そこからひょいと取り出し開いた中に、一匹のたいやき!
…という具合。
冬場の谷根千散策にいらっしゃるなら、よろしかったら「根津のたいやき」などを。
その際「天然物」の証拠を目撃するのもおススメです。
で、代わって、私は、他の街のたいやき探索にまいろうかと(笑)。
…といっても、鮭さながらに、ぜったい地元に戻ってきちゃうんだけどねぇ。
と、ぎりぎり「鮭魚群」に、こじつけましたところでまた明日!
◆今日は、2014年12月20日/旧暦10月29日/神無月乙丑の日
◆日の出 6時46分 日の入16時31分/月の出 4時28分 月の入15時06分