街には南天以外に、万両、千両とそろい踏みました。
赤い実と言えば「南天」が優勢だった時期は、同じく師走赤い実属(?)の「万両」は、まだ青かった。
それが、さすがに年の瀬ぎりぎりになれば赤く色づいておりました。
「千両」も無事、街のあちこちに咲く。
おっ!ここの植栽はオレンジ「千両」もあるねぇ!
ということで、お正月に大活躍の花、「万両」に「千両」の話。
枯れた冬場に赤い実をつけるのが、正月を華やかに彩りもするから景気の良い名がついたのか?
それとも名がめでたいからお正月の縁起物なのか?
…どっちがさきかはわかりませんが、よそ様の庭はさておいて、花屋の店先での位置づけは…。
「千両」⇒切花
「万両」⇒鉢モノ
というのが一般的。
うーむ、私としては、一度「万両」の切り花などを正月の花として飾ってみたいんですけどねぇ。
えっ、「万両」も「千両」も、そう変わらないだろうって?
いるんですよねぇ。
そうゆう無粋なお方。
上の写真を見ればぜーんぜん違うのはお分かりでょうが、まあ一応。
「千両もあると嬉しくてなんとなく見せたくなるから実が上につく。
それが万両になると泥棒が怖いので隠しておこうかと下に実がつく」
…と、これは、確かに在りし日の祖母が、小学生の私に教えてくれて、それが、◎十年たった今も揺るがない記憶。
・「千両」⇒少ないながも見せびらかしたい⇒実が葉っぱの上につく。
たしかに、「千両」は葉っぱより上に花が咲いてますね。
・万両⇒さすがに多すぎて見せびらかすのは気が引けるorリスクありで隠したい⇒実は葉っぱの下隠れたようにつく。
まあ、そうね。
換算の仕方で違いはあれど
江戸初期ならば一両がほぼ10万円ぐらいの価値
と知ったのは、実はつい最近で。
ええっと、つまり、当時の価値で…。
千両=一億円!
万両=十億円!!
おいおい、どっちも隠せよ盗まれたら大変だ!
っていうか、それなら私は、景気よく「万両」の花を正月用に飾りたいなぁとも思う。
しかし、「万両」の切り花なるものは、少なくとも我がご近所には全然存在しないみたい。
ふーむ。
けっきょく、正月用の花は、南天になる。
「万両」の切り花、にこだわり過ぎて、残念なことに、タッチの差で「千両」も売り切れ。
で、今年は、水仙と南天で落ち着いちゃいました(笑)。
ちなみに、街に実る、「南天」の実は、もうあらかた鳥に食われてこのようなありさま。
街の「千両」のほうも、やがて同じ末路をたどりますが、鳥に食べられるというのは、体内に入れられ運ばれて、やがて糞に含まれ土壌へと。
そこで芽吹いて育つ。
つまり、繁殖力が高い種ということ。
植物の繁栄という点においては、隠しておく「万両」よりは、オープンな「千両」のほうが、未来への投資効果が高い種ってことなんですよねぇ。
だから「万両」の切り花ってないのかな?
ふふふ、へらずぐちです。
「百両」「十両」「一両」…。
実は、これに続いて、「百両」「十両」「一両」もあり、それらも、名前の示す数に併せて、少しずつ実が小ぶりになったり少なくなったり、木々の背が低くなったりするみたいです。
・「百両」⇒「唐橘(からたちばな)」
・「十両」⇒「藪柑子(やぶこうじ)」
・「一両」⇒「蟻通(ありどうし)」
ということですが、「百両」以下は、ちゃんと本名があるところがややこじつけ臭い。
実は、どれもまだ見たことがないのですが、名のある日本庭園などをへ行けば、「万両」から「一両」まで寄せ植えなどしているところがあるのだとか。
ふーむ。
数日前に「雪吊り」を見に行った六義園にはあったのかなぁ…。
ついでながら、
・「万両」から「一両」まで寄せ植え⇒「千両万両、蟻通(ありどおし)」という。
つまり、“千両も万両もいつでもあるよ”。
…と、江戸人の駄洒落が登場しましたところで、ちょうどおあとが良いようで。
◆今日は、2014年12月29日/旧暦11月8日/霜月甲戌の日/上弦の月
◆日の出 6時50分 日の入16時36分/月の出11時41分 月の入–:–