冬の土用に入れば、酒屋の店先には、いつもの酒粕が入荷してました/1/17=旧11/27・癸巳

酒屋の店先に酒粕が並らぶのが気になる季節になりました

日本酒の仕込みは、米の収穫を終えた10月ごろから始まって、早いものなら12月下旬からが新酒の季節。
なので、酒を絞ったあとの酒粕も、その頃から店先に並んでいるはずなのですが気にもとまらず。

酒粕が恋しくなるのは、気温もぐっと下がる今ごろになってからです。

実際のところ、酒屋さんの目立つ場所にこれが並ぶのも、この時期になってから
…のように思うのですが気のせいでしょうか?

さっそく、今年の新・酒粕を買ってきました。
会津の蔵元「曙酒造」の「大吟醸練粕」

酒粕

毎年、意識して違う酒粕を求めてみますが、今年は、「少ししか取れない貴重な酒粕」との店主のことばに釣られました。
とりあえず、ネットで蔵元から直接買えそうですね⇒曙酒造合資会社HP

しかも10月から売っている?

味はどうかな?

とさっそく封をきる。

「練粕」はペースト状で、色も白ではなくてほのかにベージュ。

ベージュの酒粕

甘酒作りにはむりかしら?
と不安にもなる見た目ですが大丈夫です。

味見してみれば、なんだかそのままぐいぐいいけそう。
…って酒じゃないよ。
酒粕を、です。

とにかく、いつも買ってる、一般的な「板粕」「ばら粕」よりも、さらにずっと食べやすく使いやすそうな感じです。

まずは、「甘酒」

適量(上の写真ぐらいの分量)+水を鍋に入れ、火にかけて、酒粕をゆっくり溶かす。
溶けてきたら、味をみながら砂糖を少しずついれて、甘みが決まったら最後に塩をひとつまみ。

甘酒

すった生姜をトッピングします。

って、マジで板状にまとまった「板粕」「ばら粕」よりもラク。
思い立ったら一杯分っての可能ですね。
酒粕は、今後「練粕」を買うことにしよう!

あとは…。

●今晩の汁物は、もちろん鮭と根菜類の汁に、味噌と一緒に溶いて「粕汁」にきまっているしっ!

●朝の味噌汁にもちょっと入れる。
朝から、ぐぐんとからだが温まります!

●魚の切り身や鶏肉が安かったら多めに買って、「粕漬け」にする。
料理レシピなどには、酒にみりんに味噌、砂糖を加えてとありますが、良いものを選べば、酒粕のみでつけたほうが淡白で美味しいように思えます。

袋にちょっぴり残ったものは、スプーンなどで丁寧に掬い取って、最後は砂糖をかけてそのまま食す。
こうして、一袋1キロぐらいが、ああっという間になくなってしまいそうです。

しかし、なんで酒粕なんて名前?

こんな風に、すごく使いでがあって、実は栄養価も高い。
そもそもからだを温めてくれもして、とてもありがたい食べ物。
と感謝感激でいただいてるうち思うのは。

なんだって、これに酒の「粕(かす)」と、残り物のようなイメージの言葉をあてたのかしら?
…ってコトでして、ちょっと気の毒じやあないですか?

たとえば「酒の花」とかつけるセンスはなかったものか?

…などとも思いますが、「酒粕」は、不平も言わず。
実直に冬の食卓の脇を固めておりますねぇ。

本日は、冬の土用入り。

夏の土用ばかりがとりざたされておりますが、立春、立夏、立秋、立冬の直前18日間はすべて「土用」。
その初日が土用の入りです。

冬の土用は、「大寒」の日も近づいて、寒さに注意が必要なころ。

ということで、この実直なる「酒粕」などで、せっせとカラダを温め、乗り越えてゆこうと思います。

◆今日は、2015年1月17日/旧暦11月27日/霜月癸巳の日/冬の土用入り
◆日の出 6時50分 日の入16時52分/月の出 3時09分 月の入13時43分

コメント

  1. carropple より:

    ミチル日々さん、こんにちは。
    いつも読ませて頂き、嬉しいです。

    おっしゃる通りで、私も同感です。
    味醂粕を『こぼれ梅』と可愛く呼ぶのですから。
    酒粕にも、美名が欲しいですね。

    御存知でしょうが、一保堂さんでは粉茶を『玉露粉』『煎茶粉』『花粉』と呼びます。
    最も廉価なお番茶の粉を『番茶粉』と呼ばず『花粉』と可愛く呼ぶ、その心が好きです。
    『天かす』という言葉を使わず、話すときも書くときも『揚げ玉』を愛用しています。

  2. taomichiru より:

    carroppleさん、コメントありがとうございます。粉茶にもいろいろ美しい名があるんですねぇ。ちょっと一保堂に行ってみたくなりました。
    酒粕のシーズンもそろそろ終わり、この冬もずいぶんお世話になりました。が、売られている名前はそのままですねぇ…勝手に美名を考えようかな😊。