今日は、二十四節気の「立冬」。いよいよ冬がそこまで。/11/7=旧 閏9/15・壬午

今日は二十四節気の「立冬」です。

とうとう、季節は最終コース、暦の上では冬が来ました。

いつもの『暦便覧』では「冬の気立ち始めて、いよいよ冷ゆれば也」と説明していますが、つまり、冬の気配がここかしこにたち現われはじめの頃ぐらいの意味でしょうか。

これが温暖化の影響なのかどうなのか、陽のさす昼間はまだ暖かい。
まだまだ秋の気分でいると、日が暮れたとたん、ぐっと気温が下がってびっくり!

早朝、窓を開けて感じる空気は、涼しいというよりやはり冷たいし、そういえば、近畿・東京地方では、先月末、「木枯らし一号」も吹きました。
三寒四温は、冬から春にかけての現象ですが、秋から冬も、暖かい寒いを繰り返しつつ、寒い日が増えて少しずつ本格的な冬になってゆきます。

「ふゆ」の語源は、「冷(ひ)ゆ」に「殖(ふ)ゆ」

「冷(ひ)ゆ」は、そのものずばりの言葉ですが、動物が出産するという意味の「殖(ふ)ゆ」という語も関係しているのは興味深い。

動物たちが冬ごもりをするように、本来はヒトも温かい場所でぬくぬくのんびりしたくなるはずの冬。
人間だって、季節の言葉に従って暮らせば、今日からは、新しい生命の始まりとなる春までの充電期間のはず。

なのに、人間界は、クリスマスだ正月だと気ぜわしく、あれもこれもやっておかなくちゃとバタバタとし始める11月・12月。
立冬の声を聞いたら、それは、そろそろ日々の生活速度を緩めはじめる合図と思うべきなのかもしれません。

見上げれば、青く澄んだ空

寒いのはちょっと辛いけど、東京の冬のうれしいところは、日々続く晴れた空。

東京都の樹木だからなのか、見上げれば、あちこちに植えられた銀杏も黄色くなるまではもう少し。

銀杏と空

朝晩の冷気で色づけば、黄色と澄んだ空の青の対比が、ココロをざわめかせるほどに美しいのです。

あっ、銀杏の実がなっていますよ!

銀杏の実

ここは、銀杏の採取スポット。
黄葉とともに、そちらも楽しみです。

木の葉は、花のない季節に、これからは私たちが華やぎ担当とばかりに、これからどんどん美しさをましてゆくことでしょう。

が、しかし…。

実は、「立冬」に入った後の5日ごとの季節のながれ七十二候は、初候が「山茶始開」=山茶花(ツバキとよませますが、まあサザンカでしょう)が咲き始める。
とんで、末候は「金盞香」=水仙の花が咲く…と、冬に入ったとたんにずいぶん華やかなんです。

確かに、先月あたりから、山茶花は花咲かせているし、公園などに植栽された水仙は花はまだだけれど、ずいぶん背高になりました。
そういえば、石蕗の黄色も目立つようになりました。

枯れ行く今年の植物たちも美しいものですが、冬は、すべてを枯れさせると見せかけて、もう次の季節の準備をしている。
もうすぐそこまで、希望ある予感みたいなものが運ばれてきているかのようです。

◆今日は、2014年11月7日/旧暦 閏9月15日/長月壬午の日/満月!
◆日の出 6時08分 日の入16時41分/月の出17時06分 月の入 6時03分