5月3日は、憲法記念日。もちろん、今年も憲法を読み。解説の書も一冊/5/3=旧3/15・己卯

今日は、憲法記念日
国民の祝日を定めた法律「祝日法」では、「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」日と定義していますが、個人的にはずっと前から「日本国憲法」を一読する日。

というコトで、今年も「日本国憲法」を読む。

といっても、「日本国憲法」は、施行後、今まで一度も改正されていないため、原典は、旧かなづかい。
漢字の表記は旧漢字体。
ってコトで、そのものは難しいのでよみません。

近ごろは、その原典に忠実でありながら読みやすく編集されたもの多数。
といっても、わたしのおススメは、相変わらず、古くからあるこの2冊なんですけどね。

日本国憲法

写真の右は、小学館が1982年に発行し、大ベストセラーになった『日本国憲法』。

原典に現代かなづかいで振り仮名をふり、難しい言葉は欄外に解説。
そして、条文の見開きを読んでめくると、美しい日本の写真という構成がすごく好き。
2013年に、軽装版が発行されました(『日本国憲法』 (小学館アーカイヴス))ので、より入手しやすいみたい。

左の文庫は、中学生を対象に出された『日本国憲法 』(小さな学問の書 (1))

21世紀を迎える年に童話屋という出版社から出されたもので、「教育基本法」と英訳の「日本国憲法」も収録されています。
こちらの本のバリューは、編集者によって書かれた「まえがき」。
この本は、憲法そのものではなくて、毎年、もっぱら、この「まえがき」を読むに終始しているかもしれません。

内容は?
…ふふふ、ぜひ立ち読みでもいいので、実際にお読みください。

日本国憲法を読むにも、私なりのコツがあります。

昨年の今日のブログにも書きましたが、しつこく今年もここにまとめとこうかと思います。

まずは…。

◆憲法には、施行されたときの内閣のメンバーと天皇の言葉が添えられているのでそこは見る。

当時の総理大臣は、吉田茂かぁ(麻生太郎氏のおじいさんね。似てないけど)…とか、とにかく、ぼんやり眺めます。

◆次に「前文」を読んでみます。

「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために…」で始まる前文に、毎度“聡明なまなざし持つひとの崇高な理想”といった佇まいを感じます。

そして、やっぱり、「なんと素晴らしい、いったいこれはどこの国の話かっ!」
…と今年も思ってしまいました。

この憲法が施行されたのは、1947年(昭和22年)5月3日。
それから、68年もの長きにわたってこの憲法とともに生きてきた日本人だけれど、まだまだ、この前文の精神の足元にも及ばないなどと反省したりします。

◆そして、好きな条文さがしです。

毎年、違う条文さがしにいそしみますが、今年も、結局好きだなと思うのは、第13条、18条、23条

たとえば、「すべて国民は、個人として尊重される」で始まる第13条はいいなと思います。
第18条「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」は、思想の自由はともかく、「良心の自由」までと踏み込んでいるのがなかなかだと思ったり。
第23条「学問の自由は、これを保障する」のシンプルさも好きです。

しかし、やっぱりダントツで存在感を持ち、この日本国憲法に魅力を与えているのは、第9条ではないかといつも思います。

「日本国民は、正義と秩序を基調とする、国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」

世界は、いつもどこかで戦争ばかり。
もしや明日その火の子が飛んでくるかもしれない中で、戦争を放棄すると言い切ってしまう勇気ある法律と感じますし、つまり外交などの手段で「頭をつかってなんとかしよう」という姿勢も透けてみえる。

非常に成熟したオトナをイメージさせる条文にも思えます。

◆憲法第9条を持つ国に生まれ暮らす意味はなんなのだろうと考えたりする。

まずは、なにが何でも「戦争という醜い行為」を否定する、この法律のある国に生まれた誇りみたいなものがある。
そして次に、そう感じるのなら「国際紛争を解決する」他の手段=アイデアをいかなるときも考え抜いておかなければならない義務もあるのだ…と思いが生まれる。

…というように、軽い気持ちで好きな一文探しを始めてみても、「日本国憲法」は、いつも、そうゆう重い課題を投げかけてきます。

そして今年は、解説書も読もうかな

解りやすく、面白く、リアリティある解説ならば、やっぱりこの方の著作だろう。

池上彰 本

ちょうど、池上彰氏の『超訳 日本国憲法』 (新潮新書)が書店に並んでいたので買いました。

私たち日本人が寄って立つ、もっとも大切な法律であるにも関わらす、一行も読むことなく暮らすってどうなのかな。
…と思いつつ、もちろん日常の間に間にそんな気持ちは沈んで消える。

だから、私にとっての憲法記念日は、「日本国憲法」に近づいてみる日

ちかごろ、憲法改正についていろいろ言われていることもあるし、そのことが、本気で俎上に上がる日が来るなら、誰にも振り回されずにはっきり自分の意見を持ちたい。
というコトで、これから読書体勢に入りますので、本日はこの辺で。

◆今日は、2015年5月3日/旧暦3月15日/弥生己卯の日
◆日の出 4時48分 日の入18時29分/月の出17時38分 月の入 4時13分