秋に咲く、秋の七草の3種類目。そろそろ尾花は咲かないのかな?いや、ちゃんと咲いてますよ!/旧暦7/28・己丑

尾花は、古い呼び名。つまり、芒(すすき)も花咲きはじめました。

尾花と呼ばれた由来は、<動物の尾を連想させるところから名づけられたのだろう>と、宋民先生が、その著書柳宗民の雑草ノオト』 (ちくま学芸文庫)にて。

確かに、記憶の中の芒(尾花)は、キツネの尻尾のような豊かでしなやかなカタチをしているかも。

と言っても、今年は、まだ咲はじめ。

皇居東御苑の芒も…。
皇居東御苑の芒

向島百花園の芒だって…。

向島百花園の芒

花穂は、まだピンと空を仰ぎ、若々しい感じです。

今年は、長く暑かったせいなのか、例年より、すこーし花咲き始めが遅いかもしれません。

それとも、中秋の名月が、9月末とやや遅めなせいなのか?
…いやまさか。

芒(すすき)の花は、渋さ満点。

単体で眺めたならば、カタチは非常にユニークながら、色は全体的に緑&茶系統だし。

花は微細だし
ススキの花

華やかさはない。

だけど、花穂が垂れてくるころには、少しでも固まって咲くさまは、繊細にして美しく。
もう幽玄ですらありますね。

ススキの群生

そして、確かに動物の尻尾に似ていますね。ちゃんと尾花なんですねぇ。

ちなみに、すすきの名所というのもちゃんとあって、有名なのは箱根・仙石原や奈良・若草山などなど。
もう今ごろなら、優雅に銀色の波頭をうねらせているんだろうなぁ。

一度行ってみたいです。
(箱根の仙石原は、立ち入り禁止区域にはなってないようですし…)

すすきは、「植物遷移」営みの中では、草原の最終段階

つまり、すすき野原を、ほっておくと、やがて樹木が育ち、日差しを遮るにつれ、芒は木立に跡を託して消えてゆく
…とか。

だから、名所たるすすき野原は、草刈りや火入れを定期的にほどこすなど、膨大なケアが必要。
時々、ニュースなどで見る「野焼き」は、そのためにされている場合もあります。

そうと知ったら、ますます、眺めに行きたくなるというものです。

さて、秋の七草は、残すところ、葛と萩のみ。

どちらも、ほんのちょっぴり、花が咲きはじめたみたい。

とはいえ、盛りはお彼岸あたりかなぁ…。
秋の七草が咲き切る頃は、もう冬なんですよねぇ。

なんだか気が早いけど、ぼんやりしてるとあっという間です。

◆今日は、2015年9月10日/旧暦7月28日/文月己丑の日
◆日の出5時19分 日の入17時57分/月の出2時22分 月の入16時04分