10月20日は、「えびす講」。日本橋の宝田恵比寿神社でも賑々しい催し多数。その筆頭が「べッたら市」です/10/20=旧9/8・己巳

10月20日は、えびす講。
日本橋の一角では、昨日より恵比寿祭が開催中です。

えびす講は、平たく言ってしまば、恵比寿さんへ1年の無事を感謝するお祭り…みたいなもの。
恵比寿さん自体が、変幻自在なカミサマみたいで、都市部であれば商業神で「商売繁盛」、農村部ならば五穀豊穣、漁村では漁業神なもんで大漁などを祈願したりで、忙しそうです。

だから、10月といえば、八百万のカミサマ方はこぞって出雲にでかける神無月だというのに、恵比寿さんたら、そんなこんなで、お出かけできない。
この時期、恵比寿さんは留守神としてそれぞれの土地に残られるという次第。
ってコトで、今日も、ちゃんと、日本橋の宝田恵比寿神社に残っておいでみたいです。

宝田神社の界隈は、
日本橋といっても、普段は、ひっそりビルがたたずむ場所。

神社だって、そのビルの谷間に、ごくごく小さな鳥居と扉がかたく閉ざされた拝殿のみが静かにひっそりあるのみです。

それが、10月19・20日の2日間のみは提灯が飾られたりして賑々しく。

恵比寿祭

宵宮の昨夜には、ちゃんとお神輿も繰り出したそうですよ。
って、早寝早起きの私は、夜祭りに出向くこともないもんで一度も見たことはありませんが、それはまた結構な賑わいなんだそうです。

「べったら市」のほうが有名だけど、
それはそもそも「えびす講」の門前市

関東地方のえびす講は、商売繁盛祈願の意味合いに加え、秋の収穫祭の意味合いもあり。
だから、その門前市には、江戸時代の頃より魚や野菜などの露店が軒を並べた。

参詣客は、そこであれこれ求めて、家に祀る恵比寿さんのお供えにしたそうです。

その露店の中に、米と麹と塩で大根を漬けた「べったら漬け」も並び、それがまたよく売れ
⇒日本橋えびす講の名物に。
⇒いつしか門前市の代名詞「べったら市」となった。

という経緯みたい。

今年も、美味しそうな、べったら漬けが山盛りで売られております。
べったら漬け

ここに並ぶべったら漬けは、はかり売りですが、写真の1本分でだいだい1500円!
むむむ、高いな。
…と性懲りもなく毎年思ってしまいますが、まあ、縁起物なので1本買って帰ります。

ここらで売られているものは、米と麹と塩だけで漬けるから、ほんのり甘い。
その自然の甘さが、ちょっと癖になりそうな美味しさなんで、ケチって買わないで帰ると、ちょっと後悔するんですね…。

ちなみに「べったら」は妖怪の名前でして…。
ってそれは嘘っ!

江戸人たちは、恵比寿講の市の混雑を利用し、浅漬け大根を参詣者の着物の袖につけ、「べったら~、べったら~」とからかった。
…というのがその由来。

実は、この漬物。
ビニールで二重三重に包んで持ち帰りますが、電車の中では、けっこうなにおいを放ちやや迷惑。

それを、そのまま袖につけたってなぁ…参拝客は、古着、作業着、普段着でしかお参りに行けなかったことでしょうね。
…お祭りだってのに。

妖怪「べったら」(嘘!)とともに、
今年は、祭りの縁起物もGET!

「べったら財布」と手ぬぐいです。

手ぬぐいと福財布

財布は、この独特な恵比寿さんの絵が気に入ったという友人にあげてしまい、手ぬぐいの方は、色が気に入りで使い込み…。
写真は、買いたての時に撮ったのでシャキッとしておりますが、現実はよれよれ、今年こそは新調したいなと思っていたところでした。

…というコトで、えびす講を終えた恵比寿さんは、正月の「十日戎」のお祭のため上方へ。
えびす講の祭りは上方のほうがずっと盛んですので、ますます忙しいはずで、けっきょく、ずーっと出雲へは行かれじまいなんでしょうか?

◆今日は、2015年10月20日/旧暦9月8日/長月己巳の日
◆日の出5時51分 日の入17時00分/月の出11時54分 月の入22時32分