今日は、二十四節気の「霜降」です。
ひとつ前の「寒露」の「寒い」という文字にですらビビッていたというのに、「霜」かぁ…。
なんか寒々しいんですけど、まだ10月ですよ!
世間で、温暖化問題が騒がれるようになってから、夏の灼熱、雨風の過激さに加えて、春と秋が短くなった。
だから、10月の下旬は、もう去りゆく秋の尻尾のあたり。
昔は、もう少し秋が長かったような気がするのになぁ。
温暖化めっ!
と思っていたけど、昔からある二十四節気が「霜降」って?
もしや、私の方が勘違いしてた?
一応、いつもの『暦便覧』はなんという?
「露が陰気に結ばれて霜となりて降るゆゑ也」だそうです。
夏の湿気が「露」となり。
「ああ、露って涼しげだわぁ」と喜んでいた日々もつかのま。
「露」⇒陰気(=冷気)で固まって⇒「霜」化。
となると、空気よりは重いんで、地上に降って来る頃ってコトですかね。
この説明ひとつで、晩夏⇒初秋⇒晩秋の情景が全部想像できちゃいましたっ!
…となると。
故郷では、刈り田に並ぶ、杭掛けの光景が…
目を閉じて想像…あらら?
出てきたのは、こんな光景でありました。
背高泡立ち草の群生。
実は、私の場合「霜降」の頃の故郷の記憶は、こっちに紐づいているらしい。
おかしいなぁ(笑)。
背高泡立草は、北アメリカの生まれ。
太平洋戦争後に爆発的に日本で増えた外来種
どうもこの種は、アメリカ軍の輸入物資に種が紛れて、日本全国津々浦々に運ばれ
⇒地面にこぼれ、落ち着き
⇒育ったという経緯らしい。
その後、敗戦後の日本の経済成長…による自然破壊や大気汚染などなどにも、耐性ありまくりだった。
というのもあって、植物にとってはあまりよからぬ環境の中で、他を駆逐しながら繁殖したんだって!
で、ひとたび空き地があると、どんどん増えるってわけね。
外来種に比べれば、かよわき(?)ニッポン人の私は、
その逞しさに強く惹かれるトコがあり。
だから、身近に背高泡立ち草が育ってくると、ちょっと嬉しい。
さすが、街中だと、群生…しないけどね。
残念だなぁ。
こんな風に路傍に飾っているのを見ると、羨ましいなぁ。
で、ちょっともらってきちゃった(笑)。
「菊始開」の頃に飾り始めた菊も、枯れたのをのぞくと、ちょっと寂しくなってたんで、しばし、わが家を飾っていただこうかと思います。
背高泡立ち草のコトは、
ぜーんぶ、柳宋民先生の『雑草ノオト』の教え
日本にわたってきた経緯なども全部この本『柳宗民の雑草ノオト』から学んだものだけど…。
そこに、気になる記述があって。
まず、<東京周辺では以前に比べるとかなり減ってきているようだ>とあって、それは<帰化植物は、入ってくると病虫害がないために爆発的に増えることがよくあるが、何年か経つと病害虫が発生して衰退することもある>と続く。
確かに、東京ではそんなやたらと見なくはなったなぁ…。
ふーむ。
繁殖力が強すぎる草木というのも、度を過ぎると恐怖ですが、それでも、背高泡だち草がない秋って寂しいかもな。
まあ、荒川あたりに行けば、まだこんな感じで…。
「これでも繁殖力弱まってるの?」
としか思えないんでいいんですが。
◆今日は、2015年10月24日/旧暦9月12日/長月癸酉の日
◆日の出5時55分 日の入16時56分/月の出14時49分 月の入1時43分