昨日カワイイ「餅花」や「繭玉」を飾って「十四日年越し」。明けた今日は「小正月」で、小豆餅粥で祝います。/1/15=旧12/6・丙申

昨夜は餅花を飾って「十四日年越し」。

東京に住んでると、今ごろはまさにバーゲンシーズン。
ってコトで物欲に走ったりして、すっかりそんなことを忘れがちですが、今日は、もういっこの新年「小正月」。

前日は、その大晦日にあたる日となり「十四日年越し」などと呼んで、取り払われたお正月の室礼の代わりに「餅花」や「繭玉」などを飾る地域もあります。
「餅花」「繭玉」とはちょっと違いますが、東京でもこんな風な「小正月」の飾りをときどき見かけたりして…。

繭玉

正月の飾りは、松や白い餅を主体としたすっきりな感じだったのが、小正月になると、ピンク&オレンジ主体の華やかな印象。
小正月は女正月なんて言われてますし、その意味もあるのかな?

旧暦では、正月は「新月」、小正月は「新年初の満月の日」

かつて、日本人は、望月=満月の日に年が改まるという考えで過ごし、その前夜に年越しをするという風習がありました。
実は、「小正月」と「十四日年越し」はその名残。

しかし、実際のところ、今日は、まだ旧暦12月6日!で、まだお正月にもなってないんですよね。
旧暦時代ならば、やっとあと数日で事八日、正月の準備に入るって頃合いです。
もちろん望月どころか、今日はまだ新月から4日目だったり….。

年中行事の多くは、明治時代に新暦を採用するようになったあと、日付と行事だけが結びついて残されたってコトで、新暦で過ごす現代には、ちょっと拍子抜け感は否めないんですけどね。

でも可愛い行事だからまあいいです。

今日の小正月も、小豆で祝います。

小正月には、邪気を祓うため小豆粥を食べる地方が多いみたい。
望月の日=満月の日の粥なので、「望粥(もちがゆ)」と呼んだり、実際に餅を入れる地方もあるようです。

ってコトで、小豆粥餅。
と欲張ってみました。

小豆粥

小豆入りとはいえお粥だけでは、少し物足りないんで(笑)。

作り方は簡単で、小豆を茹でて、小豆のゆで汁でお粥を作り出来上がったら小豆を戻す。
そこに焼いた餅を入れるってだけです。

なんなら、レトルトの小豆粥を買ってきて焼き餅を入れるんでもいいと思う。

小正月に粥を食べるのは、
唐代以降盛んに行われていた中国の行事。

古代中国では、1月15日を上元の日と呼び、新しい春を迎えるお祭りとして盛大に祝ったんだとか。

その際、門戸に柳の枝を飾ったり粥を食べたりして邪気を祓った。
それが、まず平安時代前期に宮中の年中行事として伝わり、その後民間へと広がっていったとされます。

ふーむ。

実は柳の枝で餅花や繭玉を作る地域が意外と多く、それもこの唐由来のものかもしれないですね。

そして、小豆粥の小豆も、漢方の薬としても昔から利用されてきたもの。
実際に小豆の煎じ汁や小豆粥は解毒やむくみに効果があると聞く。

正月のご馳走は、保存を考えて味が濃くむくみにつながり、さらに悪いことに身体を動かさずに食べ過ぎて、正月太りの原因はほぼこのふたつ。
とすれば、この時期に小豆粥というのは、非常に理にかなった祝い食です。

昔のひとはなぜそんなことまで知りえたのだろうかと、こうしたことを調べるたびに深く感心させられることのひとつでもあります。

東京以外の地域では
この時期が「どんと焼き」や「左義長」の時期。

華やかな飾りや、お餅の入ったお粥。
そして、「どんと焼き」や「左義長」は、年神様を送る行事ではありますが、壮大な火祭りでもあります。

「小正月」は、元旦&三が日とはまた違った華やかさや賑やかしさがあって、たった半月の差ですが、こちらのほうがリアルな春を迎える行事に思えてきますね。

◆今日は、2016年1月15日/旧暦12月6日/師走丙申の日
◆日の出6時50分 日の入16時50分/月の出10時07分 月の入22時30分