古人の「月待」をまねて、秋の夕暮れ時には空を見上げ月探し。満月からスタート、「十六夜」から十四番目の月「小望月」まで予習しました。

「月待」は、ヒトが集まりごちそう食べて月を待つイベント

本来の意味はそうゆうことで、あるカタチの月の出を目当てに人々があつまり、お供えしたり月を拝んだりする立派なイベントだったみたい。
なかでも、三日月、十三夜、十六夜、十七夜、十九夜、二十二夜、二十三夜、二十六夜の月はかなり重要だったとか。

平成の世に生きる私は、ハードル低く月を楽しむ。
月の出を待って、月との逢瀬を楽しむってエッセンスのみまねてみます。

そのためには、欠けて⇒満ちる月にいちいち付いた名前を覚えるのは必須かなと。
で、満月の夜長は、その月の名前を復習してみる次第です。

十六夜目の月から下弦の月までの七夜は、
待ってる甲斐ある月みたい。

月の満ち欠けは、見えない新月をいれて28~30とおり。
その半分以上にあれこれ月の呼び名が付いている。

ああ、日本人だなぁ。

ってことで、まずはまずは、満月の翌日から、月待ちの通称とともに、丁寧に月を追ってみます。

◆十六夜目は、「十六夜(いざよい)」あるいは「不知夜月(いざよいづき)」/10月17日

十六夜

すこーし欠けてるんでしょうが、地上から見る分には、満月と区別がつかないくらい丸い月。

ちなみに、「不知夜月(いざよいづき)」の呼び名は、満月同様、日没ともに月が出て、翌朝の日の出まで、ずっと夜を明るく照らす。
⇒「夜を知らず」
⇒それが転じて「不知夜月(いざよいづき)」だそうです。

◆十七夜目は、「立待月(たちまちづき)」/10月18日

呼び名からして、「月待ち」って感じですね。
日没から、月が出る時刻まで、ちょっと時間がかかり「いまかいまかと、立って待つ」ぐらいの時間でぽっかり顔を出すからこんな名前。
都会では、月が出ても、ビルなどの障害物が多いので、さらに待ち時間は長くなる

◆十八夜目は、「居待月(いまちづき)」/10月19日

昨日よりも、月の出は約一時間ほど遅くなる。
もう、立って待つと疲れるので、「居」=「座る」、「座って月の出を待つ月」ってコト。

障害物のことを考えるとさらに月に会えるのは遅い時間になります。

◆十九夜日目は、「寝待月(ねまちづき)」あるいは「臥待月(ふしまちづき)」/10月20日

月の出は、日没すぎて約3時間半後。
待つのに飽きそうというか、つい忘れちゃいそうっていうか。
だから、横になって待つというのもわかるけど、そんなことしたら、うたたねをして、絶対月を見逃す気満々です。

それでも昇ってきた「寝待月(ねまちづき)」は、欠けてきた感じがはっきりとわかって、待つ甲斐はあり。

◆二十・二十一夜目は 「更待月(ふけまちづき)」/10月21日・22日

もう相当に遅いです。
個人的には、もう就寝時間ぎりぎりなんで、このあたりの月に遭遇したら夜更かしモードです。

ちなみに、10月21日月の出21時39分 月の入11時01分、22日 月の出22時38分 月の入11時55分なんで、朝方に月に出会うことのほうが多いかも。

◆二十二夜目は半月・「下弦の月」/10月23日

ここから、月はどんどん細くなる。

下弦の月

そして、月の出の時間も相当遅くなるので、月見も特別な日以外はあまりしない?
そのせいなのか月の呼び名が、極端に少なくなります。

◆二十六夜目頃 「二十六夜 (にじゅうろくや)の月」/10月27日

この月は、江戸時代の「月待ち信仰」で重視された月です。
三日月を反転させたカタチの月が午前3時頃昇り、特に陰暦の正月&7月26日の月の光の中には、弥陀・観音・勢至の三尊が現れると言い伝えられていたそうです。
そりゃあ縁起が良すぎますよね。
なので、「二十六夜待ち」と称して、江戸人たちは、飲み食いしつつ眠らず朝まで月を待ったとか。

そして、偶然遭遇した二十六夜の月。

ある朝方ふと目覚めて外を見たら偶然二十六夜の月が出ていて、すかさずシャッター押した次第。

二十六夜の月

陰暦正月でも七月でもなかったせいか、弥陀・観音・勢至の三尊には、もちろんお会いできてません。

◆二十八夜目~三十夜目 「晦日の月(みそかのつき)」/10月30日

月によって、晦日=28、29、30日と数日の変化ありですが、とにかく月の最終日の月をこう呼びました。
明日は、新月。
今日も明日も月は肉眼では見えません。

ちなみに、落語でよく聞く「晦日の月」=「あり得ないこと」は、こんなところから来たコトバ。

新しいことはこの日からの「新月」はやはり特別。
見えないけどね。

◆一夜目 「新月(しんげつ)」/10月31日

月が太陽と同じ方角になる夜。だから、月はそこにあるけど地上からは見えません。

◆二夜目「繊月(せんげつ)」あるいは「二日月(ふつかづき)」/11月1日

この月も見逃し率99%!
しかし、日没後1時間前後のまだ明るい空に、空に爪でひっかいた?
みたいに、細い月が見えることがあります。

◆三夜目「三日月(みかづき)」あるいは「若月(わかづき)」とか「眉月(まゆづき)」/11/2日

日没後の西の空に、あれれ?

三日月

ちょうど沈みゆく寸前にお月様との再会することがけっこうある。
見えた!と思ったら、もう逃して四夜目、五夜目ということもありますけどね。

◆七~九夜目頃、「上弦の月」あるいは「七日月(なのかづき)」とか「弦月(ゆみはり)」/11月8日

満ちる月は、昼間から登場し、真夜中近くに沈んでゆくことが多く、晴れた日なら青空に白い半月がひそかに張り付いていることも。

上弦の月

こんな風にね。

◆十夜日目頃 「十日夜の月(とおかんやのつき)」/11月10日=旧暦10月10日。

旧暦10月10日の月を「十日夜」と古人は呼んだ。
とにかく、理由をつけては、月を眺めてたんですね。

上弦の月より、少しふくらんだ月。

◆十二~十三夜目 「十三夜月(じゅうさんやづき)」/11月11日・12日

しかし、珍重されてるのは、10月の十三夜の月だけかな?
「後の月 (のちのつき)」「栗名月(くりめいげつ)」「豆名月(まめめいげつ)」とも。

◆十四夜目 「小望月(こもちづき)」/11月13日

満月の前夜の月です。
風景の中で月を眺めるには「十三夜月」とか「小望月」が最適じゃないかと思う。
たとえば、夕暮れ時の情景(西の空の夕焼けの反射とか)に月が浮かんだこの日なんて、涙がでるほど美しい光景。

十四夜
気に入りの一枚です。

..ってことで一周しましたね。
ひと月毎日、月を眺めて暮らす生活って、やっぱり素敵だなと思います。

◆今日は、2016年10月16日/旧暦9月16日/長月辛未の日/満月!
◆日の出5時48分 日の入17時04分/月の出17時24分 月の入5時24分