かつて正月2日の宵の頃…。
街には「お宝ぇ~、お宝。」の声が聴こえてたんだって。
声の主は、初夢の縁起物「宝船の絵」を売る「宝船売り」。
たぶん、こんな風に和紙に、宝船の絵を描いたのを商っていたんだと思います。
ひとは、これを買い求め、正月2日の夜に枕の下に敷いて寝る。
すると、初夢は吉夢になるでしょう~!
…という、まあ、御守りでしょうか。
…っていうか、初夢って元旦の夜の夢じゃなく?
まあ、いいか。
このことを、最初に知ったのは、民俗学者柳田國男さんの「初夢と昔話」(「定本 柳田國男集 第6巻」筑摩書房)を読んで。
その記述には、これを売って歩くことじたい縁起が良いと、その日のみのにわか「宝船売り」もずいぶんいた…とか。
それは江戸時代とかいう遠い日々の話ではなく。
昭和12年あたりにもそのようにして「宝船」は売られていた…とか。
ちょっと興味津々の記述に私も「宝船の絵」がほしいっ!と思った。
しかし、「宝船売り」の声は、戦争突入のためかき消され、戦後の混乱⇒奇跡の高度経済成長のまにまに消えていってしまったみたい。
神社によっては細々と受け継がれ…。
その後、その「宝船の絵」に遭遇したのは、上野は五条天神の境内。
社務所とちょっと離れた場所にひっそりと飾られていたコレを見て、あららひょっとして?
あっ?もうひとつある?
どっちがいいかなぁ。
と思うも、当時は正月かぎりに授与と聞き、ちょっとがっかり。
東北帰省でお正月は東京にいません。
それが、いつしか、ほかの日にでも授与いただけるようになったみたい。
めでたく上の写真のように今年は現物をGET!
五条天神のお隣の花園稲荷神社の「宝船の絵」です。
ちなみに、下のシンプルなほうが、五条天神のバージョン。
さてさて、今宵は、枕の下に麗々しく敷き、良い初夢を見ようと画策する次第です。
結果はどうかな?
ちなみに、最近は、神社以外でも、商店街のお正月の縁起物として配ったり、なんだか小さな復活を遂げているみたいな気配。
もっと、いろんなところで入手できればいいのになぁ。
えーっと、つまり、いろんな意匠の「宝船の絵」を見てみたいってのが主たる希望ではありますが。
あったら、また毎年違うものを一枚ずつとかなりそうですが。
◆今日は、2017年1月2日/旧暦12月5日/師走己丑の日/月齢3.8日
◆日の出6時51分 日の入16時39分/月の出9時19分 月の入20時29分