2月17日は、梶井基次郎の誕生日。今年も『檸檬』とトリビュートの短編を読む。/2/17=旧1/21・乙亥

1901年(明治34年)2月17日生まれ
1932年(昭和7年)3月24日に逝く。

ああ、享年31歳かぁ。
そのうち作家活動といえる時間はどのぐらいあったんだろう。
…そんな風にも思う。

今日は、作家・梶井基次郎の誕生日。
いつものマイルールにのっとり、著作を1冊。

しかし、ボロボロになりつつあるこの1冊しか手持ちがないのでこれを読む。
梶井基次郎』 (ちくま日本文学 28)を。

檸檬とホルモー六景

いやいや、そういわずもう一冊、万城目学著『ホルモー六景 』(角川文庫)

鮮やかな色彩の世界を味わい
もっちゃんへのトリビュートを読む。

作品数は少ないけれど、現役で売られている梶井基次郎の本は多く。
「檸檬」の印象からその装幀のほとんどはフルーツのレモン。

だけど、この文庫が好きなのは、収録集(全集だしね)はもちろん、表紙の絵も『檸檬』のエピソードをそのまま表現してるから…かな?

檸檬表紙

京都三条通麩屋町にあったころの「京都丸善」の片隅に、主人公が本を積み上げ檸檬を置いたそのシーン。
それがそのまま表紙になっている。

初めて、梶井基次郎作品を読んだとき、すべての作品に、色があふれていて驚いた記憶。
いや、全編、モノクロの世界であるかのような物語を読み進むと、突然鮮やかに色づけられたように存在する特別なものが飛び込んでくる。

たとえば、カンナ、ひまわり、駄菓子に花火、
おはじき、電燈…そして檸檬。

最初、この作家は画家か?
…とさえ思ったし、だから、10代では理解しがたい物語が愛しくも思った。

そして、『ホルモー六景』で今日重要なのは、第三景「もっちゃん」。
もちろん、もっちゃん=梶井基次郎で、彼をモデルに描かれた短い物語がしみじみと心を打ちます。

今日はこの2冊を読んで、
梶井基次郎の誕生祝です。

お誕生日おめでとうございます。
梶井基次郎作品は、ティーンエイジャーのころから背伸びして読み始め、その倍以上の月日がたっても、やっぱ少し背伸びして読んでいる。

なかなか、作家に追いつかない。
そんな物語であり続けています。

◆今日は、2017年2月17日/旧暦1月21日/睦月乙亥の日/月齢20.1日
◆日の出6時26分 日の入17時25分/月の出23時26分 月の入9時55分

↓全集でも文庫なんでこのシリーズが好き。

↓確か昨年、単行本→文庫に入れ替えたのに…。それが見つからず。なんで?