今日は、今年最後の「庚申(かのえさる)」の日。
ゆかりの神社仏閣では「納めの庚申」のご縁日です。
まずは…。
・「庚申」ってなに?
という方は、こちらにまとめてみましたのでよろしかったら⇒「六十干支(ろくじっかんし)」って?)
・「庚申」の日については、今年の「初庚申」の日の記事を参照。
というのも、かつて「庚申信仰」ただならない隆盛ぶりで、さまざまな信仰と混ざりあい、なんだかただならない複雑さ。
…ってことでここで解説しちゃうと日が暮れる😊。
信仰のキーとなる部分はシンプルで…。
人間のカラダには、「三尸の虫」がいて、日々ヒトの行いを見張っているという前提。
それが、庚申の日の夜。
ヒトが眠りをむさぼってる間に抜け出して、天帝さまに、ヒトの悪行諸々を、チクリにゆく。
それをヒトは止めるべく、この日は夜通し眠らず祈る。
…ってことで、その隆盛ぶりは、ふと気づけば目に付くこんな塚。
日本各地に点在する「庚申塚」の多さが語る。
(そのものずばりに「庚申」と書かれたもの以外にも、青面金剛明王さんや猿田彦神をかたどったもの、見ざる聞かざる言わざさるの三猿などもある。探し比べると面白くてはまります)
東京の「庚申日」といったら柴又帝釈天。
それは、我らが「フーテンの寅さん」のおかげか?
映画を見れば、とらやの店内には、必ず、「庚申日」のポスターが張られ。
そうそう、こんな風にね。(←これは、寅さん記念館のいちコーナー。帝釈天行ったら、こちらもおススメ)
やっぱ、「初庚申」と「納めの庚申」ぐらいは脚を伸ばしてみたいなと思う。
「庚申日」には、山門も賑々しく提灯が配されて..。
これこれ。
風情ある商店街を抜けてゆけば、ポッと灯るこの提灯がなんだかとっても懐かしい。
ちなみに、柴又帝釈天の庚申祭はことさらに特別。
三尺の虫がチクりに行く方=天帝さんだからだけでなく、江戸人を熱狂させる由来在り…なんです。
柴又帝釈天に続く、宗祖である日蓮さん作「帝釈天の板本尊」。
これが、寺開山直後の寛永年間(1629年)に所在不明になり、150年の時を経た安永8年(1779)に発見。
その日が「庚申の日」だったもんだから、「庚申信仰」大流行中の江戸人たちのココロに火がついたっ!
ってことで、柴又帝釈天の縁日は、「庚申の日」と相成った次第なのです。
ということで、「庚申日」には、帝釈天板本尊のご開帳もあり。
そういえば…。
この寅さんの傍らに、妹・櫻(さくら)の像もあるんだって?
…やっぱ、今日は脚を伸ばす価値ありの日でしょう。
◆今日は、2017年11月29日/旧暦10月12日/神無月庚申の日/月齢10.6日
◆日の出6時30分 日の入16時28分/月の出13時43分 月の入1時04分