旧暦4月8日、「卯月八日」といえば…ぺんぺん草の花。
というのも、かつては旧暦で祝われていた「灌仏会」。
その寺の門前では、ぺんぺん草が売られたリしていたそうです。
情報ソースは、明治・大正の浮世絵師・菊池貴一郎(四代目歌川広重)の『絵本江戸風俗往来』(東洋文庫)。
4月の項の冒頭に灌仏会の記述があって、その文末あたりに「ぺんぺん草(=なずな)と俗称する草を売る。」とちゃんと書いてある。
それなら、私はそれを飾るぞ!
と毎年、初夏の福島帰省時には、ぺんぺん草飾り(←ちょうど旧暦4月8日にあたることが多い)。
この時期の東京(江戸)では、もうぺんぺん草は咲いていない、だけど飾ってみたいので苦肉の策です。
…っていっても実は「ぺんぺん草はこれまた毒虫の害を去るとて、毎夜ともす行灯につり、また雪隠の隅につるし置くなり」という落ち付きで、門前で売られたぺんぺん草は、飾るためではなくて御不浄の虫よけなんですけどねぇ~(;’∀’)。
それでも、このぺんぺん草の可愛さ。
もう、無視無視、ってか気にしない。
さらに言えば、今日は、農事暦的には、山のカミサマをお迎えに上がる一日で…。
かつて、旧暦4月8日は、農事終日休み。
農民たちは、連れ立って山へ。
外で食事をしつつ、花見をしたりして、山のカミサマと一緒に楽しく過ごし、そのまま里へ来ていただく。
もちろん、農事盛んな時期には、田畑のカミサマとしてご活躍いただくためです。
その際、下山途中に花を摘む。
藤とか山つつじ、卯の花なんかもあったのかなぁ~。それらを、摘んで、カミサマのため、家々の門口に美しく飾ったんだとか。
畑もちの母の家にて、真似してみた神迎えのお花もぺんぺん草。
おなじ畑からいただき、飾って…満足しました。
山のカミサマ。
どうぞ、我が母のやや中途半端な畑にも、豊かな実りの日々を。
…と、ちょっと前倒しで祈り倒してきた次第。
ああ、東京にもぺんぺん草が咲いてたら、今日の花飾りは、間違いなくコレなんだけどなぁ。
残念だぁ~。
◆今日は、2019年5月12日/旧暦4月8日/卯月己酉の日/月齢7.2日/上弦の月
◆日の出4時39分 日の入18時36分/月の出11時14分 月の入0時32分