・<湯島天神・2月上旬>梅の木下に顔を出し…。
・数日でにょきにょき育ったの図
…なんだかカワイイ。
・<同じく、2月中旬。梅まつりのころ>
福寿草はお正月の花
福寿草は、別名「元日草」とか「朔日草(ついたちそう)」とか言われお正月の花とされていますが、それは旧暦を使っていた時代のお話。
新暦の正月用に花屋さんで売られているのは、ハウス栽培されたもので、植木市などをこまめに回り、小さな黄金色の花を咲かせた鉢や苗を見つけるのは、立春を迎える今ごろになってからです。
庭に下ろしたものが咲き始めるのも、2月ごろから3月中旬ぐらいまで。
かつてのお正月は2月ごろですから、その頃咲きだす黄金色の花に、新年を祝う花としていろいろな思いを託したのでしょう。
幸福と長寿を願って「福寿草」。
こんなストレートにめでたい名を持つ花も他にはそう記憶にありません。
福寿草は、キンポウゲ科の多年草。
植木市で鉢植えなどを求めて花を楽しみ、終わったら庭に下ろしてあげれば、また来年も花を咲かせます。
上手く根付けば、まずは、人参の葉のような葉がどんどん育って、葉の先に小さな金平糖に似た実がつくのを発見できるかも知れません。
ただし、庭に下ろしたければ、正月用の小さな化粧鉢は実はご法度。
植木市などでその苗をみればわかりますが、福寿草は、根がよく発達し本来は地植えにこそ適した植物。化粧鉢に寄せ植えされたものは、根を深く切り詰められ、たった1回の開花を楽しむためのものでしかありません。
イメージしたのと比べて、ちょっと違っても大きく深い鉢に植えられたものか苗を買うのがお薦めです。
庭などぜいたく品の東京在住の私は、鉢植えも苗もぐっと我慢して見るだけ。
それでも、植木市とみれば、必ず覗いて福寿草を探します。
植木市にて福寿草発見!⇒小石川の植物園へゆく
小石川植物園に行って、薬草園のあたりをうろうろすれば、そこに、福寿草を見つけることができます。
まずは、つぼみ。
その近くには咲きはじめ!
福寿草は、最初短い茎の上に花だけつけて地べたに直接花が咲くように開花しますが、やがて、花をつけたまま茎や葉は伸びるようです。
(その様子が上の湯島天神の福寿草。これが見慣れたカタチですよね)
で、さらにぐんぐん伸びた様子は、こんな風。
あら小さい?
もう少し寄った写真も載せると(すみません、実はコレは福島の実家の庭の福寿草。…植物園のと並べて恐縮です)
ここまで育つと、良く知ってる鉢植えのものと違い、最初は、別品種かなと思うほどです。
見たことあります?福寿草の実
花の頃は、ソメイヨシノの開花の前に終わりですが、まだその先に楽しみは残ります。
4月下旬ごろに忘れず小石川植物園の薬草園を再訪すると、元気に伸びた福寿草の葉先に、小さなイガイガつきの実をつけているのを発見!
これを見逃す手はありません。
ところで、福寿草は、江戸時代の植木職人により品種改良がなされた古典園芸植物。
なので、黄色以外に、緋色や緑色の花をつける品種もあるのだそうです。
そうと知ったのちは、植木市や植物園で、必ず「緋色や緑の福寿草」も探してみるようにしています。
が、それは、まだ見たことがありません。
…見たいです。
さて、スタンダードな福寿草でよければ、お近くの植物園へ出向けば案外確実。
東京なら、向島百花園や皇居東御苑などでも出会ったことがありますよ。