東京都心で唯一菜の花畑が見られる場所。
知ってます?
築地市場のお隣にある、広大な庭園「浜離宮恩賜庭園」の菜の花畑。
2月に降った記録的な大雪で、今年は難しいかなぁ…と心配していましたが、さすが、菜の花はたくましい!
見ごろを迎えているようです。
近づくと、懐かしい香りがするんですよねぇ~♡
って、それは、ランドセルを背負って菜の花の間を駆け抜け、家に帰った記憶によるものなんでしょうか?
菜の花は、こうして可憐な花畑を観賞するだけでなく、かつては、菜種油をとるため盛んに栽培されたと聞きます。田舎に育った私の通学路には、今の時期なら菜の花畑はたくさんあって、あれは、菜種油のためかしら?
いやいや、野菜つくりの種採取かな。
などとやっぱり懐かしいんだなぁ。
さて、このような広大な菜の花畑を前に思うのは、懐かしさに次いでこの一句。
菜の花や月は東に日は西に
与謝蕪村の句には、菜の花がたくさん登場するそうですが、やはり、まず思い出すのはコレです。
この雄大なイメージが素敵っ!ということもありますが、実は、同じ体験が出来ないものかといつも密かに思っているから。
しかし、毎年タイミングが悪くいまだに未体験なのが残念なところです。
句の解釈として、多くは、このときの月は満月だといわれています。
が、そうなんだろうかというのが、最近の疑問。
菜の花の頃は、2月からはじまって、せいぜい4月まで。
今年の2月、3月、4月の満月の日の「日の入」と「月の出」を国立天文台のサイトで確認すると以下のようになっています。
2月16日→日の入り17:23/月の出18:41
3月17日→日の入り17:50/月の出18:27
4月15日→日の入り18:14/月の出18:16
2月と3月は、西に太陽がきっちり沈んでから、東にのんびり月が顔を出す計算です。
しかし、句の解釈からすれば、西の空には沈みかけている太陽があり、菜の花畑をなめながら東を振り返ると同時に月もそこに居なければならないのですが、とすると4月の満月ならあるいは可能か…といったところ。
しかし、浜離宮のサイトで確認すると「菜の花は、3月いっぱい楽しませてくれます」とのことで、肝心の菜の花が終わってしまう懸念があります。
ならば…。
句の一般解釈はさておいて、蕪村さんの句は、ひとことも満月だなどとは言っていないところ着目!
太陽が沈む時刻よりちょっとだけ早く月が出るのは14番目の月=小望月のころ。
あるいは、日没よりずいぶんはやく顔を出す13番目の月=十三夜月。
これが、かろうじてこの現象に間に合うかもしれない。
13番目も14番目も実は一瞬「今日は満月?!」と思うぐらい見た目に差はありませんし、蕪村が見たのは、たぶん、満月直前の月だった…と無理やりな解釈をしてみましょう。
とすれば、今年のチャンスはあと2回?
なんとか3月15日の十三夜、16日の小望月に再度トライ!
…かと思ったが、ああ、そこにたちははだかる閉園時間の壁。
両日とも、17時閉園なのでした。
ぎりぎり、3月15日の日の入り17:48/月の出16:34を狙ってみるという手もありますが、うーん、ちょっとピント外れになりそうです。
やっぱり、泊りがけで房総あたりまで出かけないと無理なのかなぁ。
と、どうでもいいことに真剣にさせる、これも、菜の花の可憐さゆえのことでしょうか。
追記:今日は、豪雨に強風。立春から春分の間に吹いた、風速8m以上の風が春一番。今日の風がまさにそれで、今年は風速18mと、かなり過激な春一番でした。
菜の花たちは大丈夫でしょうか?
◆今日は、2014年3月13日/旧暦2月13日/如月癸未の日