お盆もあっと言う間にすぎゆきますが…。
送り火にて、昨日、ご先祖さまをお送りしたのもつかの間。
かつては、一六夜の今宵、さらに加えて(?)盆踊りにて、ご先祖さまをお送りする。
…ってのが盂蘭盆会のしめくくり。
といっても、現代は、盆踊りも、町会仕切りの行事。
子供たちの夏休み行事の位置づけで、8月上旬ぐらいまで若干後ろ倒しに開催されることも多く、都合よく本日開催されるのは、実は稀です。
今週は、こちらの神社の境内。来週は、駅前の広場
…と、少しずつ日程がずれているのもご愛嬌。
まだ空気が涼しい早朝に、散歩などで足を伸ばせば、ご近所の盆踊り会場にはもうしっかり櫓が立って、用意は万全。
こちらの会場は、近々、町内の夏一大イベントが始まるようですね。
盆踊りのスタイルは、地域によっていろいろらしい
東京地方も、私の故郷、東北でも、上の写真のように…
<広場にやぐらを立てて、音頭とりと太鼓打ちが櫓にあがって音頭を奏でる。それに併せて櫓の周囲を回りながら人々が踊る。>
…というのが一般的。
しかし、古くは、<踊り子たちが、群れ成して町や村の中を踊り歩く群行スタイル>だったらしいし、今もそのスタイルを踏襲している地域もあるみたいです。
たとえば「阿波踊り」や、などは、かつてのスタイルが、今に残された好例。
(本家、徳島の阿波踊りは、毎年、8月12日~15日と、きちんと旧暦で行うお盆の日程を踏襲しております→徳島市の阿波踊りのサイト)
ってか、こっちのほうが一大イベントだわねっ!
徳島の「阿波踊り」は、日本三大阿波踊り(あと二つは、秋田の西馬音内の盆踊り、岐阜の郡上おどり)にも数えられているわけですし…。
全国各地の盆に併せた規模の大きい夏祭りだって、メインイベントは “踊るパレードスタイル”。
古くからあるスタイルも、現代に脈々と続いているともいえますね。
盆踊りの起源は、空也上人が起こした「踊り念仏」
「踊り念仏」は、<太鼓・鉦(かね)などを打ち鳴らし、踊りながら念仏・和讃を唱え練り歩く>といったものだった。
あれれ、これって、 “踊るパレードスタイル”の「盆踊り」に似てません?
だって、空也上人が起こし、のちの鎌倉時代に一遍上人が、民衆に広めた、「踊り念仏」こそが、盆踊りのルーツ。似ているのは当たり前です。
それのあたりの話は、いつも参考書にしている『日本年中行事辞典 (角川小辞典 16)』(鈴木棠三著 角川書店)に詳しく。
その内容を抄訳すれば…。
1.空也上人によって、僧尼たちによる「踊り念仏」がはじめられた。
時を同じくして、別に、民衆の暮しの中には、悪霊や疫霊を鎮めて送り出す「御霊信仰の鎮送行事」のようなものも盛んにあった。
2.時代が下って、鎌倉時代に、一遍上人などが「踊り念仏」に民衆たちを巻き込む。その過程で「御霊信仰の鎮送行事」が融合
3.亡魂を供養するのに欠かせない行事になっていった。
そもそも、「念仏を唱える」とは仏教の作法ですから、「踊り念仏」も仏事の際に踊るもの?
なので、その大きな法要の場である「お盆」の時期になれば、定期的に繰り返されることになったのだろか?
…と、想像。
そうして、スタイルも様々に変わり「盆踊り」と定着し、今に至るということでしょうね。
このあたりの詰めは今後の宿題といたしたく(^^♪。
旧暦時代の盆踊りは、決まって、満月(旧7/15)の翌日、十六夜(旧7/16)。
現代のように、梅雨の時期ではなくて、盛夏のまっただなかですから晴れの日が多いはず。
つまり、月明かりに照らされ夜通し踊る。
人々の意識はどんどん高揚してゆき、ご先祖様を思いつつも、けっきょくただただ踊るに夢中になってったんじゃないでしょうか。
そうして、もちろん念仏を唱えるなどもいつしかなくなり、一方、「◆▽音頭」や「なんとか節」など奏でる楽曲も登場。
地方色も色濃くなって、基本を押さえつつもスタイルはさまざまに展開。
…なんて、気づけば、またも、その「盆踊りバリエーション」が気になる次第。
もっと深堀してみたくなります。
ご近所の盆踊りバリエーションも楽し。
東京でも、早々に7月上旬から盆踊りがスタート。
我がご近所だけでもけっこうあります。
・入谷の朝顔市の盆踊りが、先鞭を切って<7月上旬>
・上の写真の巣鴨の駅前ロータリー(巣鴨単一商店街)が<7月中旬>
・とげぬき地蔵の高岩寺境内の盆踊りが<7月下旬>
・日暮里の諏方神社の境内も同じく<7月下旬>
…って、今朝見たら、諏方神社は、まだこんな感じで準備中でした。
・駒込富士神社の境内でも、<8月上旬>
って感じですが、都内で探せば、もう大量に開催されてるみたいです。
「盆踊り」を「神社」で行う事例も多いのが、またまたのご愛嬌。
そうゆうところが、またいいなぁとおもったりします。
たとえば、明治時代に神仏分離令がでるまでは、カミもホトケも案外なかよく同じ敷地にいらしたんだよね。
…なんて、思いすことができるからですが。
もっと言えば…。
いいじゃん、カミサマも楽しいことがお好きなはずでは?
…とか。
細かなことはまあいいんじゃない
…とか。
とにかく、おっぱじめてしまうってのが、実は、ファジー好みの日本らしい。
八百万のカミサマもご先祖サマもきっと喜んでごらんになることでしょうよ。
一緒に東京音頭とか踊っちゃうかもしれないよ!
昔、盆踊りは、月明かりの中、夜通し踊る。
今、暗くならない東京のヒカリの中…なんですが、まあ、難しく考えずとも、それが、なんだかちゃんと供養になっているような気がします。
昔から続くモノコトは、いつも本当にうまくできているものだなと思うこと仕切りです。