あっという間に11月です。
で、つい、すっとばすところでしたが、七十二候は、今日まで「霎時施(こさめときどきふる)」(10月28日~11月 1日)でもありました。
「霎」は、「こさめ」と「しぐれ」とふたつ読み方があるみたいですが、その理由は、「蟋蟀在戸」の「きりぎりす」か「こおろぎ」か?…と同じ。
「しぐれ」と読ませるのは、江戸時代の暦・「貞享暦」によるもので、私が参考にしている、明治時代に作られた「略本暦」は、「こさめ」と読ませます。
ちなみに…。
・「こさめ」→雨量の少ない雨、小降りの雨
傘をささずに歩いていても、まあさほど気にならない雨ですよね。
・「しぐれ」→晩秋から初冬にかけて、一時的に降ったり止んだりする雨。
つまり、秋から冬に変わる時期に降る通り雨ってことですよね。こちらは、短くザーッと冷たく強い雨の場合もあります。
この季節なら、気分的には、「こさめ」より「しぐれ」と読んだ方が、ぴったりな感じ濃厚。
ですが、なんだって、明治に入ったら「こさめ」に変えちゃったんでしょうね。
不思議です。
「霎時施(こさめときどきふる)」の時は「結露始(けつろはじまる)」
どちらにしても、冬の雨って寂しいよなぁ…と思いつつも、その「しぐれ」も「こさめ」も、昨日あたりから少し。
近ごろ、遅く来た秋晴れなのか、東京地方はやけに晴れの日が多い。
いやいや、すでに冬型の天気になったのかしら?
代わって、冬を知らせるのは、こんな現象。
ガラスの置物ではなく、窓のあたりをじーっとご覧ください。
今年はじめての結露です。
これは外気が相当冷たくなってる証拠。
冬将軍が、ひたひたとそこまでやってきている印でもありまして、またも、いつものように勝手七十二候をでっちあげ、「結露始(けつろはじまる)」としました。
うーん、あんまり風情がないんですが、まあいいか。
ということで、冬の準備を
近ごろは、過激に暑い夏からいきなりの冬といった季節の変化。
今年も、ずーっと、穏やかな残暑が続いて、いきなりやってきた寒さの気配ですので、注意が必要。
季節の変化についてゆけずに体調不良ほどつまらないことはありません。
羽毛のふとんを出して干し、湯たんぽもそろそろだしとこうか?
などと考え考え、出かけた先で、目についたのはコレ。
あっ!カミサマ方が集う出雲の生姜湯だ!
そーいや、「こさめ」の字→コレね!「霎」の中に生姜の姜が入っているねぇ~。
…ってコトで、冬の準備の第一弾として、買ってきました。
そして、生姜湯のお供は、『雨の名前』
そして、そのあと寄った図書館では、偶然とは思えない『雨の名前』という本。
特に、表紙の「猫毛雨(ねこんけあめ)」の字が目を引きました。
「猫毛雨(ねこんけあめ)」は、宮崎県日向地方のコトバで、霧雨のことらしい。
細かい雨が、猫の毛みたいだということで、このコトバがつけられたらしいけど。
神話好きの私としては、日向地方の霧雨ならば、カミサマの降り立ったとされる高千穂の山からやってくる雨でもあるよね?
と、関連ずけて、もう捨ててはおけません。
高千穂と。
出雲と。
今年の冬は、寒々しい日々も、こうして八百万のカミサマ方が、ひっそり寄り添ってくださるココロづもりみたいだから、大丈夫。
…と勝手に思う。
ささやかにステキな、冬の始まりの1日です。
◆今日は、2014年11月1日/旧暦 閏9月9日/長月丙子の日
◆日の出 6時02分 日の入16時46分/月の出13時04分 月の入–:–