旧暦12月13日は、江戸人たちうち揃って「煤払い」の行事。それを真似して、平成の世は、毎年新暦同日に大掃除スタートです!/12/13=旧11/3・癸亥

本日、師走の13日は街中を揚げての大掃除の日「煤払い」です。

…って、江戸時代の話。
しかも旧暦の…なんですが。

もとは「江戸城の御煤納め」が、旧暦12月13日なので、それにならって周囲に住まう武家から町人にいたるまで、この日を前後して煤払いをするようになったみたい。

で、平成の東京に住む私も、さらに真似して今日から大掃除ってことです。
(↑こんなきっかけでもない限り、ずるずる年末に。最悪、来年に持ち越しになる可能性が…)

まずは、道具を整えまして…。

といっても大物はいつも使っている長箒と柄つきの科学雑巾(←これの一般名って何?)。

掃除用

ここに加えて、ちりとりとごみを掃きとる小箒。
このあたりのモノは、毎朝の床そうじに使っているものそのままです。
が、今日は、天井そうじもいたします。

そして、「クエン酸」と「重層クリーナ-」は、100円ショップからボトルのものを新調。

クエン酸と重層クリーナー

「重層でのそうじ」ブームから始まったこれらの洗剤。
いままでの科学洗剤っていったいなんのため?
と思うほどの威力を発揮しますが、それが1ボトル108円ってのもすごすぎですよね。

私は、毎年末このボトルを買って、中身が無くなったら、粉を買ってきて水で溶いてここに詰めて使う。
どちらも、水100mlに小さじ1杯(調味料用の5ml)の粉を溶かせば、まあ同じぐらいの効力がある気がします。
おしゃれな、スプレー容器もいいけど、割高だし、どうせ汚れてよれよれになるはずなんで、ここ数年こんな風。

1日目の今日は⇒天井全部!

まずは、長箒でざっと掃いて…。

長箒で掃く

それから柄付き科学ぞうきん(←一般名知らず。クリックルなんたらという商標しか知らない)で拭く。

拭く

天井も壁も、気が付かないけど、実はけっこう汚れている。
心なしか、部屋の中が明るくなった気さえします。

で、最後はいつものように、床は掃き⇒拭き、で終了。
床掃除

明日2日目⇒玄関回り。
3日目⇒トイレ。
4日目⇒風呂。
5日目⇒キッチン…と、今度は重層&クエン酸を屈指して少しずつ手を付けるつもり。
窓やベランダは、気候が良くなった秋口にそうじしたので今回は割愛し、18日には終了…の予定です。
ふーっ。
なんか、それでも鬼のようなスケジュールだな。

ココまで予定しながらも、「月が替わるだけなのに、こんな大掛かりなそうじ必要?」なんて思ってしまう。
それでなくとも年末って忙しいんですが…ああ。

「煤払い」は、歳神サマを迎えるにあたっての重要な行事。

そうそう、そうでした。
単に掃除するだけが目的じぁあなかったんでした。
江戸人たちは、一年の汚れを落として清め、それを一年の厄を祓う「行事」と見立てた。
これも、たとえば五節供なんかとおなじ、立派な「年中行事」ですよ!
.
だから、江戸城内は徳川家の、武家、神社に寺も、それなりに。
もちろん裕福な商家・旧家などにも、それぞれ細かい儀式やしきたりがあって、それらをきっちり守ったうえで煤払いを行ったようでした。

その様子をいつもの絵本江戸風俗往来(菊池貴一郎 東洋文庫)からひろってみましょう。

・商家はどんな風かというと

<その節は平生出入りの職人、ならびに召し抱えたる鳶の人足幾人となく着たりて、手伝って掃除をなす。終わりて祝儀目録金・手拭など貰い、例年定めの酒肴の振舞に飽きて帰る>とある。

出入りの職人とか、召し抱えの鳶の人足とか、とにかく身が軽くてフットワークがよさそうな人に手伝いを頼んだみたい。
もちろん、謝礼(祝儀目録金・手拭い)もでたし、食事つき。

だけど、「例年定めの酒肴に飽きて帰る…」って(笑)。
商家の年末ですから、もちろん大忙しのはず。
なので「酒肴とも毎年これでいいよね」的にややおざなりになってたんですかね?
ちなみに、年末の繁忙業務の都合から煤払いをするのはなんと夜中。
仕事のあとに宴会なんかを催してたら、夜が明けちゃうので、職人たちも早々においとましたかったってのもあるかもね。

・一方、武家のほうは?

まずは、幕府に倣って煤払いの式を行う。
もちろん、そこで振舞われるお膳の中味も豪華です。
<膳部は里芋・大根・牛蒡・人参・焼き豆腐。田作の平盛(ごまめのひらもり)・豆腐の味噌汁・大根・人参の生酢・塩引鮭の調理にて酒を酌む>
ありゃりゃ? 
この豪華さは、もう正月料理そのもの?

なんだか、12月の半ばから、「煤払い」にかこつけて、相当のご馳走がふるまわれたみたいですね。
食べ物的には、すでに年始がやってきた感じです。

では江戸城内はどうだった?

場内ではいろいろあり過ぎなので割愛!
と思いましたが、お女中の件が少し微笑ましいのでそれを。

<奥女中の普段用いる手拭は白の晒し木綿とされたが、その日は染め模様入りの品を使うことが許された。>
…なんだって(笑)。

平たく言えば、「すす払い」って大掃除の日。
そこで、おしゃれを意識した?
日本髪を覆うように頭にかぶった手ぬぐいに、この日だけ柄入りが許されたって…江戸のすす払いは、日常の「ケ」ではなく、思いっきり「ハレの日」だったということでしょうね。

というコトで、今年も江戸の「すす払い」の精神に習い、年神様をお迎えする「ハレ」の行事として我が家もすがすがしさを目指そうと思います。
実際、徹底的にそうじした部屋は、なんか空気まできれいになった気がするものねぇ。

◆今日は、2015年12月13日/旧暦11月3日/霜月癸亥の日
◆日の出6時41分 日の入16時28分/月の出7時49分 月の入18時20分

↓そうそう、これも使えますっ!研究室で使っている精密機器拭きとり用。
私はPCとか、TVの掃除。あっ!あと家中の鏡に使用。