酒屋の店先に酒粕が並らぶのが気になる季節になりました
日本酒の仕込みは、米の収穫を終えた10月ごろから始まって、早いものなら12月下旬からが新酒の季節。
なので、酒を絞ったあとの酒粕も、その頃から店先に並んでいるはずなのですが気にもとまらず。
酒粕が恋しくなるのは、気温もぐっと下がる今ごろになってからです。
実際のところ、酒屋さんの目立つ場所にこれが並ぶのも、この時期になってから
…のように思うのですが気のせいでしょうか?
さっそく、今年の新・酒粕を買ってきました。
会津の蔵元「曙酒造」の「大吟醸練粕」。
毎年、意識して違う酒粕を求めてみますが、今年は、「少ししか取れない貴重な酒粕」との店主のことばに釣られました。
とりあえず、ネットで蔵元から直接買えそうですね⇒曙酒造合資会社HP。
しかも10月から売っている?
味はどうかな?
とさっそく封をきる。
「練粕」はペースト状で、色も白ではなくてほのかにベージュ。
甘酒作りにはむりかしら?
と不安にもなる見た目ですが大丈夫です。
味見してみれば、なんだかそのままぐいぐいいけそう。
…って酒じゃないよ。
酒粕を、です。
とにかく、いつも買ってる、一般的な「板粕」「ばら粕」よりも、さらにずっと食べやすく使いやすそうな感じです。
まずは、「甘酒」
適量(上の写真ぐらいの分量)+水を鍋に入れ、火にかけて、酒粕をゆっくり溶かす。
溶けてきたら、味をみながら砂糖を少しずついれて、甘みが決まったら最後に塩をひとつまみ。
すった生姜をトッピングします。
って、マジで板状にまとまった「板粕」「ばら粕」よりもラク。
思い立ったら一杯分っての可能ですね。
酒粕は、今後「練粕」を買うことにしよう!
あとは…。
●今晩の汁物は、もちろん鮭と根菜類の汁に、味噌と一緒に溶いて「粕汁」にきまっているしっ!
●朝の味噌汁にもちょっと入れる。
朝から、ぐぐんとからだが温まります!
●魚の切り身や鶏肉が安かったら多めに買って、「粕漬け」にする。
料理レシピなどには、酒にみりんに味噌、砂糖を加えてとありますが、良いものを選べば、酒粕のみでつけたほうが淡白で美味しいように思えます。
袋にちょっぴり残ったものは、スプーンなどで丁寧に掬い取って、最後は砂糖をかけてそのまま食す。
こうして、一袋1キロぐらいが、ああっという間になくなってしまいそうです。
しかし、なんで酒粕なんて名前?
こんな風に、すごく使いでがあって、実は栄養価も高い。
そもそもからだを温めてくれもして、とてもありがたい食べ物。
と感謝感激でいただいてるうち思うのは。
なんだって、これに酒の「粕(かす)」と、残り物のようなイメージの言葉をあてたのかしら?
…ってコトでして、ちょっと気の毒じやあないですか?
たとえば「酒の花」とかつけるセンスはなかったものか?
…などとも思いますが、「酒粕」は、不平も言わず。
実直に冬の食卓の脇を固めておりますねぇ。
本日は、冬の土用入り。
夏の土用ばかりがとりざたされておりますが、立春、立夏、立秋、立冬の直前18日間はすべて「土用」。
その初日が土用の入りです。
冬の土用は、「大寒」の日も近づいて、寒さに注意が必要なころ。
ということで、この実直なる「酒粕」などで、せっせとカラダを温め、乗り越えてゆこうと思います。
◆今日は、2015年1月17日/旧暦11月27日/霜月癸巳の日/冬の土用入り
◆日の出 6時50分 日の入16時52分/月の出 3時09分 月の入13時43分
コメント
ミチル日々さん、こんにちは。
いつも読ませて頂き、嬉しいです。
おっしゃる通りで、私も同感です。
味醂粕を『こぼれ梅』と可愛く呼ぶのですから。
酒粕にも、美名が欲しいですね。
御存知でしょうが、一保堂さんでは粉茶を『玉露粉』『煎茶粉』『花粉』と呼びます。
最も廉価なお番茶の粉を『番茶粉』と呼ばず『花粉』と可愛く呼ぶ、その心が好きです。
『天かす』という言葉を使わず、話すときも書くときも『揚げ玉』を愛用しています。
carroppleさん、コメントありがとうございます。粉茶にもいろいろ美しい名があるんですねぇ。ちょっと一保堂に行ってみたくなりました。
酒粕のシーズンもそろそろ終わり、この冬もずいぶんお世話になりました。が、売られている名前はそのままですねぇ…勝手に美名を考えようかな😊。